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学生駅伝シーズン到来!注目は順大・三浦龍司と駒大・田澤廉

2021 9/15 11:00鰐淵恭市
順天堂大の三浦龍司,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

10月10日に出雲駅伝

今年も学生駅伝のシーズンがやってくる。昨年は新型コロナウイルスの影響で中止となった出雲駅伝が10月10日に開催される予定で、いよいよ学生3大駅伝が幕を開ける。

2年ぶりに3大駅伝がそろう今季、注目されるのはこの2人だろう。東京五輪の男子3000メートル障害で7位入賞を果たした三浦龍司(順大)と、昨年の2冠の立役者となった田澤廉(駒大)だ。

地元で成長の証しを、三浦龍司

学生長距離界の枠を超えて、今年の日本陸上長距離界に最もインパクトを与えたのは三浦だろう。

アフリカ系、特にケニア勢が圧倒的に強い男子3000メートル障害で、日本選手初となる五輪入賞を果たした。大学2年生、19歳にしての快挙。男子のトラック長距離種目で考えても、日本選手が五輪で入賞するのは、2000年シドニー五輪男子1万メートル7位の高岡寿成以来のことだった。それでも、レースを振り返って「正直、ちょっと悔しい気持ちもある」というのだから、その底は知れない。

何しろ、記録が驚異的に伸びている。高校3年生だった2年前の自己ベストが高校記録の8分39秒37。大学1年では、これを20秒縮める8分19秒37で日本学生記録を41年ぶりに更新。今年は5月に18年ぶりに日本記録を更新すると、日本選手権、東京五輪の予選でも日本新を連発し、自己ベストを8分9秒92にまで縮めた。この記録は今季の世界ランキング7位になる。

3000メートル障害は、クロスカントリーをトラックに当てはめた種目で脚力が求められる。この能力がアップダウンを伴うロードレースにはうってつけと言える。事実、ハーフマラソンの距離で行われた昨年の箱根駅伝予選会で、三浦は1時間1分41秒のU20アジア記録をマークしている。

出雲駅伝は「スピード駅伝」をうたっており、6区間45.1キロと、総距離は箱根駅伝の4分の1にも満たない。最長区間もアンカーとなる6区の10.2キロとなる。五輪後の三浦の体調次第だが、彼の能力を発揮させるにはアンカーで起用すべきだろう。

2年ぶりの大会となる出雲駅伝だが、三浦には特別な思いがある。京都・洛南高出身の三浦だが、中学までは島根県浜田市で育った。出雲駅伝は故郷に錦を飾る大会である。三浦も「島根で走れるならうれしいこと」と語っており、出場すれば凱旋レースとなる。

3年生で主将の大役、田澤廉

昨年の学生駅伝のヒーローは間違いなく駒大の田澤だった。

全日本大学駅伝では最長区間の最終8区(19.7キロ)で青学大、東海大との三つ巴の争いを制して、チームを6年ぶり13度目の優勝に導いた。区間賞とMVPも獲得する活躍だった。箱根駅伝では花の2区(23.1キロ)を走り、チームを15位から8位に押し上げ、優勝争いに踏みとどまらせた。田澤の走りがなければ、逆転での13年ぶり7度目の優勝はなかった。

そして、今年である。

箱根駅伝の翌日に大八木弘明監督に主将に指名された。3年生にもかかわらず、である。その期待の大きさがうかがわれる。

箱根駅伝後に右大腿部の疲労骨折が見つかったが、休養を経て、さらに力を増した。5月の日本選手権1万メートルで、27分39秒21で2位に入った。この記録は日本選手の学生記録としては歴代2位。大迫傑が持つ日本人学生最高にあと0秒90だった。それでも、田澤は「1秒足りなくて情けなかった」と手厳しい。

主将として、今年は強い駒大をつくることを念頭に置いている。昨年度は2冠も、いずれもゴール直前での逆転劇だったからだ。「最初から最後まで駒澤は強いと言われるようにしたい」。

出雲では2番目に長い3区(8.5キロ)で流れを変える役目か、最終6区(10.2キロ)で勝負を決める役目を任されるだろう。いずれにせよ、強い駒大になれるかなれないかは、田澤の走りにかかっている。

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