DOGSOと判定されるとレッドカード
サッカーの中継を見ていて、わからない言葉が出てくることはないだろうか。最近よく聞くようになった「DOGSO」と「SPA」について解説する。
DOGSOは「Denying an Obvious Goal-Scoring Opportunity」の略で、「ドグソ」と読む。意味は「決定的な得点機会の阻止」。守備側が反則で決定機を阻止した場合に適用されるものだ。DOGSOだと判定されると、悪質さに関わらずレッドカードが提示され、退場となる。
DOGSOが適用されるのは、次の4要件をすべて満たした時のみだ。
1.反則とゴールとの距離
2.プレーの方向
3.守備側競技者の位置と数
4.ボールをキープできる、またはコントロールできる可能性
以下、具体的に説明する。1つめの要件「反則とゴールの距離」は、反則が起きた場所とゴールとの距離が基準となる。距離の定義はないが、近いとみなされればこの要件を満たす。
2つめの要件「プレーの方向」は、攻撃側の選手のプレー方向が基準となる。ゴールに向かってプレーしているとみなされると、この要件を満たす。
3つめの要件「守備側競技者の位置と数」は、反則した選手を除いた、守備側の選手達の位置と数が基準となる。位置は守備側の選手がアプローチできる位置にいないとみなされると、数は守備側よりも攻撃側が多いとみなされるとこの要件を満たす。
4つめの要件「ボールをキープできる、またはコントロールできる可能性」は、ボールをコントロールできる、またはできる可能性があるかが基準となる。攻撃側の選手がボールをコントロールできている、できる可能性があると判断されればこの要件を満たす。
このように聞くと難しく感じるかもしれないが、例えば攻撃側の選手が裏に抜け出し、GKとの1対1を迎えそうな状況で守備側の選手が反則で止めるといったものがこれに該当する。
DOGSOは2018年の日本サッカー競技規則から登場した言葉だが、ファン・サポーターに知られるようになったのは2020年にJ1リーグでVARが導入されてから。DAZNで放送されている、審判の判定を解説する「Jリーグジャッジ『リプレイ』」で細かな説明がなされたこともあり、一気に浸透した。