北欧の生活の中から生まれたスキー競技
平昌オリンピックでは、スキー競技はアルペンスキー、クロスカントリー、ノルディック複合、ジャンプ、フリースタイルの5種類が行われる。
この中で、ノルウェーやスウェーデンなど北欧の交通手段や狩りの中から発生したクロスカントリー、ノルディック複合競技、ジャンプを、ノルディック競技と呼び、アルペン競技やフリースタイルとは区別される。
日本も比較的得意な種目であり、冬季オリンピック初の金メダルとなった1972年札幌オリンピックでの70m級ジャンプの笠谷幸生選手始め、過去にも幾度かメダルを獲得した。
クラシカル走法とフリー走法を半分ずつ滑るクロスカントリー
クロスカントリーは、上り坂、平坦地、下り坂をそれぞれ1/3ずつ配置したコースを滑り、時間を競う競技だ。
滑り方にスキーを前後に動かして歩くように進むクラシカルと、自由にスキーを使って滑ることができるフリー走法とがあり、指定された走法で滑らなくてはいけない。
競技は、ディスタンス種目とスプリント種目及びリレーに大別され、平昌オリンピックでは男子15kmフリー、女子10kmフリー、男女スプリント・クラシカル、男女リレーなど全12種目が予定されている。
日本から出場した吉田圭伸選手は25位、4大会連続で五輪に臨んだ石田正子選手は14位だった。
平昌でもメダルを期待、お家芸男子ジャンプ
平昌オリンピックの男子ジャンプはノーマルヒル、ラージヒルの個人戦にチーム戦の3種類が行われる。
日本からは、8度目の出場となる葛西紀明選手、初出場の小林潤志郎、陵侑の兄弟選手、4大会連続の伊東大貴選手、3大会連続の竹内択選手とベテランと若手の5名が出場してメダルを目指す。
男子ジャンプでは1972年札幌オリンピック70m級で笠谷幸生選手が金メダルに輝き、金野昭次選手が銀メダル、青地清二選手が銅メダルと表彰台を独占した。
1998年の長野オリンピックのラージヒル団体とラージヒル個人では、船木和喜選手が金メダルを獲得。ソチオリンピックでは、葛西選手がラージヒル個人で銀メダル、団体では伊東選手、竹内選手などと銅メダルを獲得している。
小林潤志郎選手にいたっては、2017-2018シーズンワールドカップで初優勝を飾っている。
今回の平昌オリンピックの男子ノーマルヒルの結果は、小林陵侑選手が7位、伊東選手が20位、葛西選手が21位、小林潤志郎選手が31位という結果だった。続くラージヒルと団体に期待したい。
前回大会の雪辱を果たした高梨選手
平昌オリンピックの女子ジャンプは、ノーマルヒル個人戦の1種目で競われる。
日本代表には、2014年ソチオリンピックから2大会連続となる高梨沙羅選手と伊藤有希選手に加え、初出場となる岩渕香里選手と勢藤優花選手が選ばれた。
ソチオリンピックから新種目として始まった女子ジャンプは、当時ワールドカップで13戦10勝と、絶対的な強さで優勝間違いなしと思われた高梨選手だったが、結果は4位。
しかし、今回の平昌オリンピックで見事銅メダルを獲得し、競技直後には
自分の中で記憶に残る、競技人生に繋がる、糧になる貴重な経験をさせていただいた
出典:産経ニュース
と語った。
また、ソチオリンピックでは7位だった伊藤選手は9位、岩渕選手が12位、勢藤選手が17位という結果に終わった。
かつての強さが戻り金メダルを期待、ノルディック複合
ノルディック複合は、ジャンプとクロスカントリーを一緒に行う競技だ。オリンピックでは男子のみが行われ、平昌オリンピックでは、個人種目のノーマルヒル+10km、ラージヒル+10kmと団体のラージヒル+4×5kmリレーの3種類が行われる。
競技方法は、最初のジャンプで獲得した得点差を時間差に置き換えて、クロスカントリーのスタート時間を遅らせるというもの。この競技も日本は強く、1992年アルベールビルオリンピックで団体戦金メダルを獲得すると、1994年リレハンメルオリンピックで連覇を成し遂げ、個人では河野孝典選手が銀メダルに輝いた。
最近では2014年ソチオリンピックで渡部暁斗選手が、ノーマルヒル個人で銀メダルを獲得している。渡部選手は今シーズン、オリンピックまでのワールドカップで4連勝を含む5勝を挙げており、金メダル候補として平昌に臨んでいる。