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新日本プロレスが”格闘技の聖地“に名を刻む 歴史ある会場で興行を成功に導けるか

プロレス
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いまや会員数10万人の新日本プロレス

2019年3月24日に新潟・アオーレ長岡で行われた「NEW JAPAN CUP 2019」決勝戦、オカダ・カズチカ対SANADA戦は、オカダ・カズチカのレインメーカー2発で決着を迎えた。自分自身を優勝候補と豪語していたオカダ・カズチカが宣言通りの優勝を成し遂げた。

この優勝により、オカダ・カズチカは4月6日にアメリカ・マディソン・スクエア・ガーデンで行われる「IWGPヘビー級選手権試合」のチャレンジャーとして出場権を手に入れたこととなる。

今年から来年にかけて、新日本プロレスは攻めた興行を組んでいる。来年の東京ドームの試合は例年の1月4日のみならず、1月5日も行うことが決定しているが、これだけでない。次に行うマディソン・スクエア・ガーデンでの興行についても、アメリカの団体ROHとの合同興行とはいえ、攻めたものである。

今や新日本プロレスは世界で3本の指に入るプロレス団体といっても過言ではない。世界に新日本プロレスの名を売ったのが、2017年の「WRESTLE KINGDOM 11」で行われたオカダ・カズチカ対ケニー・オメガ戦。この日を皮切りに、新日本プロレス公式動画配信サービス「新日本プロレスワールド」の海外での会員数が飛躍的に伸びた。ここから右肩上がりに会員数を伸ばしている。昨年の1月の発表では会員数が10万人で、その8割が海外からだったという。これはWWEなどで活躍しているクリス・ジェリコが参戦した影響が大きいが、もはや日本だけではなく海外でも人気があると言っても、過言ではないだろう。

100年以上続く歴史ある会場

新日はこれまで数々のアメリカでの興行を行ってきたが、マディソン・スクエア・ガーデンで興行を行うということはひと味違う。

何が違うかというと、まずはキャパシティである。発表によると約2万人収容となっている。新日本プロレスが毎年行う上半期最大のイベント、「DOMINION」が行われる大阪城ホールの収容人数が約1万6千人、日本武道館が約1万4千人、両国国技館が1万1千人というのを考えると、かなりの会場である。それが日本であれば、今の新日本プロレスなら2万人の会場を埋められないでもないが、これがアメリカとなると話は別である。

また格闘技の聖地と言われるマディソン・スクエア・ガーデンで、興行を行う歴史的な意味も大きい。ここでは世界最大の団体WWE(前WWF)が年間最大の大会であるレッスルマニアをスタートさせた歴史的な場所でもある。ボクシングでは、ジョー・フレージャー対モハメド・アリ戦、昨年ではホルヘ・リナレス対ワシル・ロマチェンコ戦、ゴロフキンとの世紀の一戦を制して名を挙げたサウル・アルバレスの防衛戦もここで行われている。

NBA(バスケットボール)、NHL(アイスホッケー)でホームとして使っているチームもあり、数々の伝説を残してきたスタジアムである。マディソン・スクエア・ガーデンは1874年にオープン。現在使用されている建物は1968年に移転し、再オープンしたものではあるが、かなりの歴史がある。

その会場に新日本プロレスが名を刻むこととなる。メインは「IWGPヘビー級選手権試合」王者ジェイ・ホワイト対オカダ・カズチカ。他にも「IWGPインターコンチネンタル選手権試合」王者内藤哲也対飯伏幸太が行われる。試合にも注目だが、果たして約2万席を埋め尽くすことはできるのか?この大会でアメリカでどれだけの人気があるか証明されるだろう。4月6日が待ち遠しい。