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パルクールの起源はフランス軍の障害物訓練、10月に東京で世界選手権

2022 6/25 11:00田村崇仁
イメージ画像,ⒸRave NIK/Shutterstock.com

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走る・跳ぶ・登る、2024年パリ五輪採用は見送り

「パルクール」というスポーツが若者の間で人気と関心を集めている。

重力に逆らうように障害物を跳び越えていく体操の新種目。日本協会は走る・跳ぶ・登るといった移動に重点を置く動作を通じて、心身を鍛えるスポーツと紹介している。

2024年パリ五輪では採用が見送られたが、その起源は元フランス海軍将校の体育教官が作り、第1次世界大戦、第2次世界大戦中に障害物コース形式によるフランス軍事訓練で採用された。

どんな環境でも機能的に動けるようになることが前提のため、実施場所も特に条件はない。いつでもどこでも、街の公園から山の中までいかなる環境もスポットになる。

東京五輪で新たに実施された若い世代を引き付けるスポーツクライミングやスケートボードなどと同じ「都市型スポーツ」と呼ばれ、将来の五輪種目入りを目指している。

基本技は7種類、羽田空港で型破りの日本選手権も開催

主な基本技は7種類。障害物を手を使って跳び越える動作、ジャンプして移動する動作、壁を使った動作、高い所へ移動する動作、高い所から下へ降りる動作、鉄棒などのバーを使った動作、平地で行うアクロバティックな動作がある。

パルクールの第1回日本選手権は2019年11月、兵庫県淡路島で行われ、障害物を使った技の難度や出来栄えなどで競うフリースタイル(30点満点)で女子は当時13歳の永井音寧が初代女王となった。男子は朝倉聖が日本一に輝いた。ゴールまでの速さを競うスピードランで女子は山本華歩が制し、男子は佐藤惇が頂点に立っている。

新型コロナウイルスで2年ぶりに開催された第2回は開催場所も型破りだった。2021年12月、会場は羽田空港第2ターミナルの国際線出発ロビー。窓の向こうに飛行機が間近に見える場所に全長30メートルのコースを設置し、テレビで生中継もされた。

技の難度や出来栄えなどで競うフリースタイルで女子は15歳の永井音寧が2連覇、男子は鈴木智也が初優勝した。 ゴールまでの速さを競うスピードランで女子は泉ひかり、男子は勝乗志音が初制覇している。

国内トップ級の男女5選手でパルクールチーム結成

化粧品製造販売「イフイング」は2022年5月、パルクールの国際大会で優勝経験もある男子の朝倉聖や女子の永井音寧ら国内トップ級の男女5選手と所属契約を結び、チームを結成したと発表した。

パルクールの第1回世界選手権は2022年10月14日から16日まで東京・有明アーバンスポーツパークで開催される。当初は2020年春に広島市で予定していたが、新型コロナの影響で延期を繰り返していた。

映画で世界へ拡大、危険な技はリスクも

パルクールが日本に持ち込まれた背景は諸説があるものの、リュック・ベンソン監督が2001年に公開した映画「YAMAKASHI」でパルクールが題材とされ、それを機に日本でも広がったと言われている。

もともとは軍事訓練、自己鍛錬を基本とした「移動術」でもあるため、他のスポーツとは比較するのが難しいとされる。

一方で身の丈にあった技でなく、いきなりレベルの高い技に挑むと大きな怪我をする恐れもあり、危険性を指摘する声も少なくない。世界では生死につながる事故も起きている。危険を冒すような動作を行うことはパルクールが目指しているものとは異なり、認知度が高まると同時にこうした問題への取り組みも重要となりそうだ。

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