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筋トレ効果を最大化させるたんぱく質の摂り方 こまめに摂取&目覚めの一杯が効率的

2021 7/18 11:00近藤広貴
イメージ画像,ⒸNickola_Che/Shutterstock.com
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ⒸNickola_Che/Shutterstock.com

トレーニーが1日に必要なたんぱく質量は体重1kgあたり2g

日々激しいトレーニングに励むトレーニーにとって、効率的なたんぱく質の摂取法が重要だ。

早稲田大学スポーツ科学部教授である宮地元彦氏は、トレーニング期間中のたんぱく質の摂取量と筋肉量の増加に関する研究の結果、たんぱく質の摂取量が増えるにつれて筋肉量が右肩上がりに増加すると述べている。

また、厚生労働省「日本人の食事摂取基準」によると、1日あたり必要なたんぱく質量は、一般の成人男性では60g程度、成人女性であれば50g程度とされている。

しかしながらこの数値は、あくまで激しいトレーニングを伴わない一般的な生活をした場合だ。筋肥大を目的とするアスリートやトレーニーなら自身の体重1kgあたり2gのたんぱく質量が必要になる。

つまり体重70kgの人であれば、1日あたり140gのたんぱく質の摂取が求められる。たんぱく質は肉類や魚類、卵類などに多く含まれるため、食事の際は以下の食品を摂取したい。

たんぱく質を多く含む食品,ⒸSPAIA


1度の食事で吸収できるたんぱく質量は40〜50g程度

たんぱく質を摂取する際は、いくつかの注意点やポイントを抑えることで効率的なたんぱく質の吸収が可能となる。

人の体は、1度の食事で吸収できるたんぱく質量は40〜50g程度と限界がある。つまり、1度の食事でドカ食いをしてたんぱく質を摂取しようとしても吸収しきれないのだ。

例えば、朝食と昼食を抜いて、夕食でステーキを400g食べてたんぱく質を摂取しようとしても吸収が間に合わず、トレーニーに必要なたんぱく質量を満たすことができない。

そのため、3食バランスよく食事を取る中で、1度の食事あたり30〜40g程度のたんぱく質の摂取を心がけたい。もしも、生活を送る中で食事によるたんぱく質の摂取が上手くできない場合は、プロテインを間食として取り入れて不足しているたんぱく質量を補うのも良いだろう。

細かく分割したたんぱく質の摂取が無駄のない吸収につながり、効率的な筋肉の増加につながるはずだ。

目覚めのプロテイン摂取が筋肥大を加速させる

また、間食でプロテインを摂取する際のタイミングも重要となる。1日あたりのたんぱく質の摂取量が同じであっても、たんぱく質を摂取するタイミングによっても筋肉の増加に大きな影響を与えるのだ。

長崎大学と早稲田大学が行った共同研究によると、ラットに対して1日のうち同じたんぱく質量で同じ運動負荷を加えた際のたんぱく質を与えるタイミングが筋肉の増加に与える影響を明らかにした。

朝に多くのたんぱく質を摂取させたAグループと夜に多くのたんぱく質を摂取させたBグループの筋肉量の増加を比較した結果、朝に多くのたんぱく質を摂取したAグループのラットの方が有意に筋肉量が増加したことを報告している。

また、高齢女性を対象にした3食のたんぱく質の摂取量と筋量との関係を調べた研究でも、朝に多くのたんぱく質を摂取しているグループが筋量の維持・増加に大きな影響を与えたことが報告されている。

このことからも、朝の目覚めの水分補給にプロテインを摂取することでより効率的な筋肉の増加が見込めるだろう。

筋肉を増加させるためにトレーニングを行う場合は、トレーニング負荷やトレーニングメニューのみならず、たんぱく質の摂取法にも目を向けたい。

知識があるかないかで、同じトレーニングを行っても将来的な筋肉量に違いが生まれてくる。正しい知識を身につけて筋肉を育てよう。

《ライタープロフィール》
近藤広貴
高校時代にボクシングを始め、全国高校総体3位、東農大時代に全日本選手権3位などの成績を残す。競技引退後は早稲田大学大学院にてスポーツ科学を学ぶ。現在は母校の教員としてボクシング部の指導やスポーツに関する研究を行う傍ら、執筆活動を行っている。

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