レブロン・ジェームズも取り入れる「ケトジェニックダイエット」
ダイエットを成功させ理想の身体を手に入れるためには、正しいダイエット法を学ぶことが大切となる。
ダイエットと言えば、甘い食べ物や脂っこい食べ物を控えるなど厳しい食事制限を伴うイメージを持つ人が多いだろう。しかし、そのような考えとは正反対で脂質をたくさん摂取しながら痩せていく「ケトジェニックダイエット」をご存知だろうか。
脂質を摂取しながら痩せるこのケトジェニックダイエット法は、1920年代アメリカのラッセル・モース・ワイルダー博士により発案された。
脂質を取りながら無理せず痩せられることから、近年ではNBAレイカーズのレブロン・ジェームズらトップアスリートも賞賛し取り入れている。実践者の中には、1カ月間で6.5kg痩せたと言う報告もあり、効果的に痩せられそうだ。
また、ダイエット効果のみならず糖質を制限するため、血糖値が高く糖尿病予備軍の方にもおすすめな食事法と言えよう。
一般的に脂質の摂取はダイエットではタブーなイメージを持つが、なぜ脂質を摂取しながら痩せることができるのか。まずは、ケトジェニックダイエットで痩せていくメカニズムを理解したい。
「ケトーシス」によりエネルギー供給を糖質から脂質へ
脂質を摂取しながら痩せられる理由は、過度な糖質制限と脂質摂取により身体をケトーシス状態にできることだ。
通常、人の身体は糖質から得たエネルギーを使用して活動しているが、糖質から得られるエネルギーを全て使い尽くすとケトン体と呼ばれる老廃物が体内で生成される。
ケトン体は、身体の主なエネルギー源を糖質から脂肪へと変換させ、使用するエネルギー供給の仕組みを切り替える働きを持つ。
ケトーシスとは、「糖質→脂質」へとエネルギー供給の仕組みが切り替えられた状態のことを示す。このことにより、身体に蓄えられた体脂肪がエネルギーとして使用され、痩せやすい身体となるのだ。
極度の食事制限と違い、しっかりと脂質を摂取して食欲を抑制しながらダイエットできる点もメリットと言えよう。
ケトジェニックダイエットの「PFCバランス」は20%:75%:5%
ケトジェニックダイエットは通常の糖質制限ダイエットと比べ、極限まで糖質を制限する必要がある。正しいやり方を理解した上で取り入れていきたい。
まずは、ケトジェニックダイエット中の1日あたりの総摂取カロリーを1日あたりの必要カロリー数よりも10%ほど減少させたい。いくら、ケトーシス状態になったとしても総摂取カロリー量が多すぎては体脂肪が減少できなくなる。
また、アメリカの栄養学研究所によると、効果的にケトーシス状態にするための栄養バランスとして「PFCバランス」をP(たんぱく質)20%:F(脂質)75%:C(炭水化物)5%の割合にすることが推奨されている。
糖質が多く含まれる米、麺、穀類は避け、チーズやバターなどの乳製品や肉、魚、卵などの摂取を心がけたい。また、野菜でも根菜や芋類も糖質が多く含まれるため食べないようにしたい。
注意点としては、筋肉分解を防ぐため体重1kgあたり1.5gのたんぱく質を摂取(PFCバランスを考えながら)して運動を取り入れながらダイエットを進めていきたい。
ダイエット期間として、まずは1カ月程度様子を見ながら取り入れてみよう。効果的に体重が減少していればその後も継続していきたい。
脂質をたくさん摂取しながらという一見変わったダイエット法ではあるが、一度ためしに取り入れてみてはいかがだろうか。様々な情報を手にする現代で、数あるダイエット法の中から自身に適した続けやすいダイエット法を見つけ出し、理想の体を手にしたい。
《ライタープロフィール》
近藤広貴
高校時代にボクシングを始め、全国高校総体3位、東農大時代に全日本選手権3位などの成績を残す。競技引退後は早稲田大学大学院にてスポーツ科学を学ぶ。現在は母校の教員としてボクシング部の指導やスポーツに関する研究を行う傍ら、執筆活動を行っている。
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