「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

ダイエットに苦しい運動は不要!ロングスローディスタンスは脅威の脂肪燃焼効果

2021 5/4 11:00近藤広貴
イメージ画像Ⓒmilatas/Shutterstock.com
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒmilatas/Shutterstock.com

ダイエット経験者の3割は運動が苦しくて挫折

お腹周りや太ももの贅肉が気になって、ダイエットに取り組んだ経験がある人は多いだろう。しかし、ダイエットはカロリーを消費するために苦しい運動を行わなければならず、なかなか継続できない人も多い。

マクロミルが全国の15歳〜69歳を対象に行ったインターネットリサーチでは、ダイエットに失敗した理由として3人に1人が「運動が辛い」ことをあげている。いくら理想の体を手に入れたいと思いダイエットを行っても、辛い運動はなかなか取り組み難いものなのだ。

さらにダイエット初心者にとっては、いざ運動に取り組もうと思っても、どのような運動に取り組めば良いのかさえわからない。ダイエット時の運動に悩みを抱える方にとっては、無理なく手軽に行えるロングスローディスタンスと呼ばれる運動がおすすめだ。

ロングスローディスタンスはウォーキングの1.8倍の脂肪燃焼効果

ロングスローディスタンスとは、長い距離を息が上がらない程度のゆったりとしたペースで走るジョギング法のことを示す。

近年の研究からスロージョギングは脂肪を効率的に燃焼できるばかりか、ウォーキングよりも苦しさを感じずに取り組める優れた運動であることが明らかとなっている。

運動時にエネルギーの素となるのは身体に蓄えられた糖質と脂質である。ダイエット時は脂肪を燃焼させるため脂質からのエネルギー供給が重要となる。学生時代に行った1500mや持久走など、息が「ぜいぜい」と上がるほどの苦しい運動では、体内の糖質をエネルギーとして使用してしまう。

この運動強度を100%とした場合の運動強度を60%まで低下させることにより、脂肪からのエネルギー消費を最大化することができ、効率的に脂肪を燃焼できるのだ。ロングスローディスタンスは脂質を最大限に消費できる60%前後の運動強度と言える。

また、ロングスローディスタンスは、ウォーキングよりも苦しむことなく行えることもメリットと言える。人の運動時の辛さを表す指標として「主観的運動強度」と呼ばれる尺度が用いられる。

主観的運動強度


この指標は、安静状態を6とした際に20が限界の運動強度であることを示している。ロングスローディスタンスは11の「楽に感じる」運動強度と言われており、この強度は時速5km以上で歩くウォーキングと比べても低く、ゆったりとしたジョギングの方が楽に感じることができるのだ。

しかも、ロングスローディスタンスは楽に感じられるうえにウォーキングの1.8倍もの脂肪燃焼効果をもたらすとされる。脂肪の燃焼効果も高く、苦しさも感じにくいロングスローディスタンスは、今まで運動が辛くダイエットに取り組めなかった人にとって画期的な運動と言えるだろう。

空腹時のスロージョギングは脂肪の燃焼効率を1.5倍に引き上げる

ゆったりとしたジョギングの具体的な目安としては、心拍数が100〜120拍程度で周りの人とおしゃべりをしながらでも走れるペースがこの運動にあたる。脈拍が測れるスマートウォッチなどを利用してこの運動強度を保ちたい。

ダイエットのためには、スロージョギング1回あたり60分〜90分ほどで週に2〜3回ほど取り入れたい。

加えて、脂肪の燃焼のためには空腹時のスロージョギングが効果的となる。空腹時は体内にストックされている糖が減少しており、脂肪を優先的に消費する。空腹時の脂肪燃焼効率は通常時のおよそ1.5倍の脂肪消費率であることが明らかになっている。

運動が辛くダイエットを挫折した人にとって画期的なダイエット法といえよう。ロングスローディスタンスを取り入れて、苦しむことなく脂肪を効率的に燃焼させて目標の体型を手に入れたい。

《ライタープロフィール》
近藤広貴
高校時代にボクシングを始め、全国高校総体3位、東農大時代に全日本選手権3位などの成績を残す。競技引退後は早稲田大学大学院にてスポーツ科学を学ぶ。現在は母校の教員としてボクシング部の指導やスポーツに関する研究を行う傍ら、執筆活動を行っている。

【関連記事】
食べて痩せる究極の8時間ダイエット!日本人の3~4人に1人は肥満
太らない食べ方とは?30回の咀嚼と最初の食物繊維摂取で簡単ダイエット
短期間で痩せる断食ダイエットは「脳力」も高める!正しいやり方と注意点