コロナ渦で6割以上が「コロナ太り」
コロナ禍で行動が規制され、コロナ太りをした方も多いのではなかろうか。そのもの株式会社が1104人を対象に行ったコロナ太りに関する調査では、およそ6割以上の方が「コロナ太りをした」と回答した。また、「コロナ太りをした」と回答した方のうち、3㎏以上の増加が半数を占めている。
原因として、自宅でのテレワークが増えたことによる運動不足やコンビニ食品、デリバリーによる食事の摂取が増えたことが影響している。
不健康な食生活は腸内環境の乱れや生活習慣病を引き起こす要因となるのは周知の事実であり、健康的な生活を送るためにダイエットに励む方も増えていることだろう。
ダイエットで痩せていくためにはカロリー計算が必要となり、摂取カロリーより消費カロリーを増やせば必ず体重は減少していく。逆に言えば、食事からとる摂取カロリーを抑えることができれば、消費カロリーオーバーにでき必然的に痩せていくのだ。
摂取カロリーを減少させて痩せていくダイエット法は断食がおすすめだ。当然のことながら、断食により食べ物の摂取量カロリーをカットすれば痩せていくことができる。1週間の断食で平均1~3㎏、多い人では5㎏ほどの体重減が期待でき、短期間でのダイエットを可能にする。
白鵬も3日間の断食を取り入れて1年ぶり優勝
断食ダイエットは、その効果の高さからトップアスリートも取り入れている。大相撲の白鵬も断食ダイエットの実践者の一人だ。
相撲という競技の特性上、体を大きくするために食事の大量摂取が必須で、「食べない」断食ダイエットを取り入れるのは相当な決断だ。白鵬も始めこそ断食に抵抗があったものの、ダイエット以外に得られる効果の高さから実践へと踏み切った。
優勝から遠のいていた低迷期に3日間の断食を取り入れた結果、土俵での動きが見違えるようによくなり、1年ぶりの優勝を飾った。ウエイトを重視する大相撲で、断食が与えた効果の高さがうかがえる。
30年間、断食に関する研究を行ってきた杏林予防医学研究所の山田豊文氏によると断食ダイエットは、記憶力がさえる、体を動かしやすくなる、疲れにくくなるなど「脳力」を飛躍的にアップさせられることが述べられている。
「脳力」はスポーツや仕事など様々な面で成果を出すことにつながり、人の活動を生き生きしたものにするという。断食ダイエットを取り入れた後の白鵬の動きがこのことを物語っているだろう。断食ダイエットは、体重の減少のみならず、生活の質にも影響を及ぼしてくれそうだ。
水、お茶、断食用スムージー、酵素ドリンクのみ
一言で断食ダイエットといってもそのやり方は様々だ。半日~1日ほどのプチ断食から2~3日にわたる断食、5日~1週間にわたる本格的な断食など、減少させたい体重に合わせて断食期間を調整する必要がある。
断食ダイエット初心者の方は、いきなり長期間の断食を行うと体調を崩す危険性があるため、まずは短期間の断食で体を慣らすことがおすすめだ。
初心者は、まず半日や1日のプチ断食から始め、経験を積むごとに断食期間を伸ばしていこう。
断食中は固形物を一切取らず、食事は水、お茶、断食用スムージー、酵素ドリンクのみの摂取が基本となる。ただし、断食用スムージーや酵素ドリンクはカロリーが含まれるため、1日当たり1~3回程度の摂取に抑えたい。
2日~1週間食べない本格的な断食を行う場合は、断食期間の前後1日に準備期間と回復期を設けたい。いきなりの断食は、頭痛や吐き気など体調不良を引き起こす原因となる。
そのため、準備期には豆腐や海藻類など消化に良いものを少量食べて断食に備えた後に行うことが望ましい。また、断食後にいきなり普通の食事をとると内臓に負担がかかり、消化不良を起こす危険性がある。おかゆなど消化の良い物を食べて徐々に通常食に戻すことが大切だ。
加えて、断食中は食べ物からの水分補給が著しく低下するため、こまめな水分摂取が必要となる。この際、カロリーが含まれる飲み物は避け、水やお茶を1日当たり2~2.5リットルの摂取を心がけよう。
コロナ禍に伴う体重の増加に悩んでいる方は、ぜひとも断食ダイエットを取り入れてみよう。短期間でのダイエットを可能にし、生き生きとした生活を可能にしてくれるはずだ。
《ライタープロフィール》
近藤広貴
高校時代にボクシングを始め、全国高校総体3位、東農大時代に全日本選手権3位などの成績を残す。競技引退後は早稲田大学大学院にてスポーツ科学を学ぶ。現在は母校の教員としてボクシング部の指導やスポーツに関する研究を行う傍ら、執筆活動を行っている。
【関連記事】
・食べて痩せる究極の8時間ダイエット!日本人の3~4人に1人は肥満
・花粉の季節の運動は取り組む時間帯と暖かいシャワーで対策を
・スポーツ場面でのマスク着用は危険を伴う?コロナ禍の新常識