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ダイエットのための有酸素運動は早朝に最大心拍数の4~6割で20分以上

2021 3/18 06:00近藤広貴
イメージ画像ⒸYIUCHEUNG/Shutterstock.com
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有酸素運動は幸せホルモン「セロトニン」を分泌

日本のサラリーマンは忙しい。1979人の中年サラリーマンを対象にしたWeb調査では、およそ8割が毎日の仕事に忙しさを感じており、自由な時間をつくりだすことが難しい現状にある。

多忙な毎日のストレスからくる暴飲暴食により、体重の増加が気になる方も多いのではなかろうか。体重の増加は生活習慣病など様々な病気の引き金となる。

ダイエットには、ランニングやジョギングなど有酸素運動が効果的ではあるが、時間が取れないサラリーマンにとって有酸素運動の効率性は必須と言える。

また、有酸素運動には脂肪の燃焼効果のほか、幸せホルモンである「セロトニン」を分泌する。「セロトニン」の分泌は、心を落ち着かせストレスの軽減に作用するのだ。

有酸素運動は、ダイエット効果はもとより、ストレス社会に打ち勝つためにも重要な運動であり、効率よく生活の中に取り入れていきたい。

有酸素運動は早朝に20分以上の実施を

有酸素運動は実施方法を工夫することで、より効果を引き出せる。運動を実施する時間帯も効果に影響を及ぼし、ダイエット目的の場合は早朝の運動実施がおすすめだ。

朝の運動は、仕事の終わる時間に左右されることがなく計画的に運動を行える。また、前日の夕食後から絶食状態が続いているため、糖のエネルギーが枯渇しており、脂肪を優先的にエネルギーとして使用できるのだ。

加えて、1回当たりの運動の継続時間も重要となる。脂肪からのエネルギー供給量は運動開始20分を過ぎたころから増加する。短時間の有酸素運動ではなく最低でも30分~60分程度の有酸素運動を行うようにしたい。

早朝の有酸素運動の注意点として、人の体は睡眠時に多くの水分量を失うため、脱水症状を予防するため運動前にコップ1~2杯の水を飲んでから運動に取り組みたい。朝食の摂取タイミングとしては、運動時にお腹にもたれるのを防ぐため、運動が終わったのちに摂取することが望ましい。

最大心拍数の4~6割での運動は脂肪燃焼効果を高める

有酸素運動を行う際の運動負荷も効果に大きな影響を及ぼす。運動負荷を示す指標として心拍数に着目したい。有酸素運動には、最も脂肪を燃焼させる「ファットバーンゾーン」があり、自身の最大心拍数の4~6割ほどの心拍数での運動がこれにあたる。

最大心拍数はおおよそ【220-自身の年齢】で計算できるため、自身の年齢が30歳の場合最大心拍数は190拍となり、脂肪を効率よく燃焼させる「ファットバーンゾーン」は76拍~114拍の間となる。

これ以上の心拍数で運動を行うと、糖によるエネルギー消費が優先され脂肪燃焼効率が低下する。運動負荷を上げすぎないよう注意したい。

心拍数の計測方法は、運動直後に手首や首の頸動付近を触り10秒間の脈拍を数え、×6することで1分間当たりの脈拍を簡単に計算できる。運動時の脈拍計算に取り入れてはどうか。

有酸素運動の前に10分程度の筋トレを

有酸素運動を行う前に筋トレを行うことでも、脂肪の燃焼効率を高められる。

スクワットや腕立て伏せ、腹筋など自宅でできる筋トレを10分ほど取り入れてから有酸素運動にとりかかりたい。

海外の学術誌の掲載された研究によると、有酸素運動前に筋トレを行ったグループと筋トレを行わなかったグループを比較した結果、事前に筋トレを行ったグループの方が15分間の脂肪燃焼量が多いことが報告されている。

筋トレを行うと体温が上昇して体を動かしやすくなるばかりか、「成長ホルモン」が分泌される。「成長ホルモン」には脂肪細胞を分解する働きがあり、運動時に脂肪をより燃焼しやすくするのだ。

まずは、週に1度、出勤前に有酸素運動を取り入れてみてはいかがだろう。運動による爽快感が得られると、おのずと実施回数も増えるだろう。

慣れてきたら週に3回ほどの有酸素運動の実施を心がけたい。休養日を作ることで筋肉を休ませながら無理なく運動を続けられるはずだ。有酸素運動を効率よく取り入れ、健康的な体を手に入れ、ストレス社会に打ち勝とう。

《ライタープロフィール》
近藤広貴
高校時代にボクシングを始め、全国高校総体3位、東農大時代に全日本選手権3位などの成績を残す。競技引退後は早稲田大学大学院にてスポーツ科学を学ぶ。現在は母校の教員としてボクシング部の指導やスポーツに関する研究を行う傍ら、執筆活動を行っている。

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