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筋トレ効果を高めるHMBの飲み方、回数やタイミングは?

2021 3/14 06:00近藤広貴
イメージ画像ⒸAfrica Studio/Shutterstock.com
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1日当たり3000mgのHMB摂取推奨

「筋肉をより強く、より大きくしたい」。日々トレーニングに励むトレーニーにとって切なる願いだ。筋肉の発達には栄養摂取が欠かせず、たんぱく質の補給のためにプロテインを摂取する方も多いだろう。

近年、トレーニー向けの栄養摂取としてプロテインの他にも様々なサプリメントが販売されている。数あるサプリメントの中でもユーチューブ広告などでよく見かけるHMBは筋トレの効果を最大限に引き出すために欠かせないものだ。

HMBとは「β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸」の略称で、必須アミノ酸であるロイシンの代謝物のことを示す。筋肉の合成や分解抑制に効果を発揮し、筋肉の発達に重要な役割を果たすサプリメントだ。

海外で行われた研究によると、筋トレを行った後にHMBを摂取したグループと筋トレのみのグループの筋肉の変化を比較した結果、HMBを摂取しているグループの方が筋力や筋肉量がより向上したことが報告されている。

HMB摂取の効果一覧


筋トレを行うトレーニーには1日当たり3000mgのHMB摂取が推奨されるが、普通の食事ではこの摂取量の確保が難しい。

HMBは肉や魚、大豆などに多く含まれるが、3000mgを摂取するには豚肉2㎏や大豆2.2㎏を1日で食べなければいけない計算となる。この量を食べるのは困難な上、たとえ食べられたとしてもカロリーオーバーで脂肪を蓄積させてしまう。そのため、HMBサプリメントを用いての摂取がおすすめとなる。

HMBとプロテインの摂取でトレーニング効果増大

HMBは、栄養素そのものが筋肉となるわけではない。人の体は、激しいトレーニングを行うと脳からの指令により筋肉が修復され、より強く大きく発達する。

HMBには、この脳から筋肉への指令スイッチをオンにさせ筋肉をつきやすくする働きがあるのだ。筋肉合成の指示を出すサポート役だと考えるとわかりやすい。そのため、いくらHMBを摂取しても筋トレを行わなければ当然、筋肉は発達しない。

また、筋肉の元となる栄養素はたんぱく質であるため、HMBを摂取したとしても筋肉の元となるたんぱく質の摂取が不十分であると発達は薄れる。たんぱく質の摂取を助けるプロテインを合わせて摂取することで、筋肉発達をより促すことが可能となるのだ。

筋トレ時は、筋肉合成の指示を出すHMBと筋肉を作る材料となるプロテイン両方を摂取することで効果が増大する。

パウダー型のHMBはタブレット型の4倍の吸収スピード

HMB摂取の効果を最大限に引き上げるためには、いくつかの飲み方のポイントがある。1度にまとめての摂取では吸収効率が悪く効果が薄れる。さらに、HMBは長時間体内の蓄積ができないため1日に2~4回分に小分けして飲むことが望ましい。

摂取タイミングとしてはトレーニングの1~2時間前の摂取を心がけたい。体内でのHMBの血中濃度がピークの状態でトレーニングをすることで、より筋肉の発達を促進させることができる。また、筋肉は睡眠中に合成されるため、睡眠の1~2時間前に摂取することでも筋肉の発達を促すことが可能だ。

加えて、HMBにはタブレット型とパウダー型が販売されているが、水に溶かしてのむパウダー型のHMBがおすすめだ。パウダー型は摂取1時間後の体内吸収量がタブレット型と比べ4倍もの量を吸収できることが臨床試験からも明らかとなっている。摂取タイミングやHMBの形状にも注意して効率的に体に取り入れていきたい。

トレーニング効果を最大限に引き出すためには、HMBは欠かせないものと言える。日々のトレーニングのお供として取り入れてみてはいかがだろうか。きっと理想の体を作り上げられるだろう。

《ライタープロフィール》
近藤広貴
高校時代にボクシングを始め、全国高校総体3位、東農大時代に全日本選手権3位などの成績を残す。競技引退後は早稲田大学大学院にてスポーツ科学を学ぶ。現在は母校の教員としてボクシング部の指導やスポーツに関する研究を行う傍ら、執筆活動を行っている。

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