日本人の2人に1人は花粉症を経験
スポーツ庁は2020年度の国民運動実施率を調査した結果、週1日以上運動をしている人の割合が6割に上ることを報告している。1979年の調査開始以降過去最高となった。コロナ禍で運動不足を感じる人が増えたと見られており、国民の運動実施への意識が高まっている。
日本国内で運動への関心が高まる中、いよいよ花粉のシーズンが到来する。花粉により、くしゃみや目のかゆみに悩んだことがある人も多いだろう。花粉症は人に備わる免疫機能が花粉に対して過剰に反応することで症状があらわれる。
アサヒグループホールディングスが20歳以上の男女を対象に行った花粉症に関するアンケートでは、6割近くの人が花粉症経験者であることが報告されている。今や日本人の2人に1人は花粉症を経験しており、年々増加の一途をたどっているのだ。
コロナ禍で運動実施への意欲が高まっている中、春を迎えるにあたって花粉症への対策が急がれる。
花粉を避けるポイントは早朝か深夜の運動
花粉の季節の運動実施では注意するポイントがいくつかある。花粉症対策を行い運動にとり組めば、花粉症の影響を最小限に抑えられるのだ。
まずは、運動を実施する時間帯だ。1日のうち、花粉の飛散量のピークは2回ある。その日の天気や風の強さにも影響を受けるが、最も花粉の飛散量が多い時間帯は早朝に山から飛散した花粉が風に乗って町に流れてくる11~14時の時間帯だ。
そして、第2ピークは気温の低下により空気の対流がおこる17時~19時の時間帯となる。花粉の季節の運動は、飛散量のピークの時間帯をずらして行うことが重要だ。
花粉の飛散量が少ないのは早朝~10時、もしくは20時~深夜にかけてである。ランニングなど運動を実施する場合は早朝か夜の遅い時間帯がおすすめだ。
暖かいシャワーが花粉症を防ぐ!?
しかし、いくら花粉のピークの時間帯を外したからといって、花粉は一定量飛散しており身体へ影響を与える。運動時に花粉の影響を避けるためには以下のような対策を行うべきだ。
ゴーグルやマスクの着用、屋内での運動実施などは花粉症対策としてすでに取り入れている人も多いだろう。ゴーグルやマスクは、目や呼吸器への花粉の侵入を防ぎ、体育館など屋内での運動も飛散する花粉の量を減少できる。
また、スギやヒノキの花粉量がピークになる2月~4月にかけて、事前に抗アレルギー剤を投与していくことでも、花粉症の症状を最小限に抑えることが可能なのだ。
花粉症対策の中で驚きなのは、運動前後での暖かいシャワーではなかろうか。スポーツ医学を専門とする国立スポーツ科学センターの小松裕氏によると、運動前後にシャワーを浴びて体についた花粉を洗い流し、頻繁に服を変えることで花粉症の症状を軽減できるという。
シャワーの際のポイントとして、38℃~40℃の暖かい温度でシャワーを浴びることで更なる花粉症対策効果を得られる。暖かいシャワーでたつ湯気を吸いこむことで、鼻腔内の花粉を洗い流し、鼻とのどを保湿し呼吸器を花粉から守れるのだ。
もし、暖かいシャワーが浴びられない場合でも、ウエットシートなどでこまめに顔や体をふくだけでも代用が可能だ。
春はスギやヒノキなどの花粉の飛散量が増えてくる。運動への意識が高まっているコロナ禍だからこそ花粉対策は欠かせない。せっかくの運動時に花粉の影響を受けないよう対策を徹底していきたい。
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