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五輪聖火リレーの主な著名人一覧、辞退続出や「島根の乱」で波乱含み

2021 2/28 06:00田村崇仁
石原さとみⒸゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

3月25日スタート、著名人は公園や競技場、密集なら中断も

東京五輪・パラリンピック組織委員会は3月25日に福島県Jヴィレッジからスタートする五輪聖火リレーのコロナ感染対策「ガイドライン」を公表し、沿道に過度な密集が生じればリレーを中断する可能性も明記した。

観客には居住する都道府県以外での観覧は控えてもらうほか、沿道の密集を避けるためインターネットのライブ中継の視聴を促し、著名人ランナーは入場制限ができる競技場や公園などで走る方針を示した。セレモニー会場の入場は事前予約制として「密回避」を図る。

一方で大会機運の盛り上げとコロナ感染防止の間で苦慮しており、観戦自粛は原則求めない姿勢で曖昧さも残った形だ。沿道の現地観覧では、近くの人との適切な距離を確保し、マスク着用、大声を出さずに拍手で応援するといった注意事項の順守を呼び掛ける。

女性蔑視発言に端を発した森喜朗前会長の辞任騒動が一段落したと思いきや、今度は島根県の丸山達也知事が政府や東京都の新型コロナ対策が不十分であることを理由に県内の聖火リレーを中止する意向を表明。五輪とコロナ対策を巡る地方との「温度差」も懸念されており、早くも波乱含みの様相を呈している。

特に島根県のリレー中止表明は「島根の乱」とも呼ばれ、関係者も全国的な波及を警戒しており、新たな火種になりかねない。

五木ひろしさん辞退、高橋大輔選手は一時保留

「3密の回避」は聖火リレー以外でも五輪の基本対策となるが、中でも注目が集まるのは芸能人やスポーツ選手ら全国各地にゆかりのある著名人ランナーの対応だろう。

2020年3月に新型コロナの感染拡大で史上初の延期が決まる直前、ギリシャ国内で実施された聖火リレーでは著名人が走ると沿道に観客が殺到して大混乱になった。女性蔑視発言で辞任に追い込まれた組織委の森喜朗前会長は「密を避けるには田んぼを走らなきゃならんという意見もあるが、そうもいかん」などと公の席で話し、尾ひれはひれも付いて批判された。

森氏の一連の発言に反発し、お笑いコンビ「ロンドンブーツ1号2号」の田村淳さんは愛知県犬山市を走る予定だった聖火ランナーを辞退して波紋が広がった。同じ愛知県では瀬戸市でランナーに予定されていた将棋の藤井聡太さんが多忙を理由に辞退を昨年秋に伝え、了承されている。

聖火リレーのスタート約1カ月を前に著名人ランナーに動きも出ている。福井県は2月26日、東京五輪の聖火リレーで県PRランナーの1人だった歌手の五木ひろしさんがスケジュールの都合により参加を辞退したと発表。石川県も2月26日、県内を走る予定だった女優の常盤貴子さんが日程の問題で合わなくなったため辞退すると公表した。

岡山県は2月25日、五輪女子マラソン2大会連続メダルの有森裕子さんらが選ばれたが、五輪フィギュアスケート銅メダリストの高橋大輔さんは沿道の混雑が予想されるとして一時保留となっている。

聖火ランナーに参加予定の主な著名人

聖火トーチは1本7万円、走者が自腹で購入

聖火リレーは121日間で全国47都道府県の859市区町村を回り、7月23日の東京・国立競技場での五輪開会式を迎える。ランナーの数は約1万人を予定している。

1日あたり80~90人で1区間につき約200メートルを、約2分をかけてゆっくり走るのが基本だ。各ランナーが当日手にする桜をイメージした聖火トーチは記念品としてもらえるわけではなく、希望すれば約7万円で購入できる高価なもの。組織委員会は約1万本のトーチの完売を見込んでいるという。

ちなみにランナーが使用するトーチや聖火皿には、東日本大震災の復興仮設住宅のアルミ廃材が使用されている。

箱根駅伝は沿道に人だかり、課題山積

新型コロナの感染状況は先行きがなかなか見えず、聖火リレーは試行錯誤しながら緊急事態宣言と横にらみで不安を残した形での実施を目指している。

ことし正月の箱根駅伝では、現地での応援自粛を呼び掛けていたにもかかわらず沿道に人だかりができた。五輪の聖火リレーでは過度な密集で中断の可能性も明記したが、具体的な判断基準はなく、国民の歓迎するムードは現時点ではほど遠い。

組織委は4月2日までに予定される福島、栃木、群馬、長野各県について予定通り「公道」で実施すると説明。ただ栃木県では不要不急の外出の自粛要請が続いており、改めて実施方法を協議するという。

群馬県も感染状況を踏まえ、市町村ごとに実施方法を判断。4月3日からの岐阜県以降は組織委と都道府県が協議し、1カ月前をめどに実施形態を決めるという「自転車操業」の流れだ。

聖火リレーの成否が五輪開催につながる、といっても過言ではないだけに予断を許さない。感染拡大で困難と判断された場合は、走行を取りやめる可能性もあるという。

世論の厳しい逆風が吹く中、組織委の橋本聖子新会長は「全国に希望の道をつなぐ。安全最優先で進めたい」と並々ならぬ決意を表明したが、全国津々浦々に五輪ムードは高まるのか―。2020年はリレー開始の直前で延期が決定した。コロナ禍の厳戒態勢で前代未聞のリレーがいよいよスタートする。

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