阪神1400mは内の馬を狙い目!
阪神芝1400mはインでロスなく競馬できる馬が圧倒的に有利。週末の雨予報も考慮すると、やや時計のかかる馬場で先行できる馬にチャンスがありそうだ。
毎年高配当も多い、阪急杯。阪神芝1400mというコースの特徴から有力馬を見ていこう。

内枠有利ということで、阪神芝1400m、東京芝1400m、京都芝1400m外回りそして中京芝1400mの馬番1から9の成績の回収率に注目すると、特に阪神芝1400mの馬の単勝回収率79円に対して、中京芝1400mは65円と実に14円もの差が生じていた。複勝回収率に関しても阪神と中京で比較すると差がある。
過去5年の阪急杯の馬券圏内馬の人気と、直線での位置取りをまとめた。

人気薄で穴をあけるのには、内を回した馬が多いことが分かる。これはコース形態や、頭数の関係上、4コーナーで馬群が縦長になりやすく、外枠の馬(特に追い込み馬)はコースロスを受けてしまうというのが原因だろう。
2019年は、インでロスなく立ち回ったレッツゴードンキや、ロジクライが上位を占める結果となった。2018年を見ても、外から強襲したモズアスコットとレッドファルクスはGⅠ馬(人気馬でもあった)で能力が抜けていた。人気薄で勝ったダイアナヘイロー(7番人気)は、内でロスなく先行していた。4着のニシノラッシュも、内枠からなだれ込んできたような競馬。近年の阪急杯において僅差の決着が多いという点を考慮しても直線の位置取りというのは非常に大切になってくるだろう。
好走条件がそろった今回は、大きなチャンス
◎5クリノガウディー
分かりやすい馬で、好走条件が「時計のかかる馬場」と「ワンペース競馬」である。
好走して馬券に絡んだ2019年中京記念(2着)の勝ち時計は1:33.6、2020年東京新聞杯(3着)の1:33.0に対して、凡走した2019年京成杯AH(7着)は1:30.3と、京成杯AHのような時計の早い決着には付いて行けないということが分かる。週末の阪神の雨予報を考えると、極端に時計が速い決着にはならないのではないか。
枠も内枠の先行馬という、先述した阪急杯の好走条件にぴったりと合う。もともと輸送が苦手だった馬が前走東京新聞杯で3着と克服したので、成長も見られる。関西に戻る今回、追い切りも抜群に良いので更なる上積みが見込めるだろう。
○6フィアーノロマーノ
スピードのある馬なので、先行させると持ち味が生きる。2019年安田記念は後方から競馬していたので持ち味が発揮されなかったと考える。前走(阪神C・2着)では、直線進路を変えるロスがありながらの2着だったので、素直に評価したい。今回は得意の阪神芝1400mなので、うまく先行できれば有力だろう。
重賞制覇した2019年ダービー卿CT前後半のレースラップは、(33.9-35.2)の前傾ラップだった。一方、13着に敗れた2019年マイルCSの前後半は(35.3-34.2)の後傾ラップで、持ち味が生きなかった。このように、先行させて速いラップに持ち込むのが好走パターンといえる。今回の阪神芝1400mは、前傾ラップよりになりやすいことからも、前走同様期待したい1頭だ。
▲17ラヴィングアンサー
小倉芝1200mで行われた2018年紫川特別(1着)、前後半のレースラップは(33.7-34.3)。ダイワメジャー産駒らしく、ハイペースでやや時計がかかる決着にも付いていけることが分かる。前走シルクロードステークスも前半が速いラップで、外差し馬場だったにもかかわらず、中段から直線一旦は3番手まで抜け出してしぶとさを見せた。
これらのことから、やや時計のかかる馬場でしぶとさが生きる展開になるのなら面白い。今回は後方待機の馬が多く、近走の競馬を考えると好位に付けることもできるだろう。近走を見ると、4走前(4着)はスタートで大きく出遅れたものの、最後は良い脚で迫っての4着。出遅れを考えると、同レース1着で阪急杯にも出走するダイアトニックとの勝負付けが済んでいるというのは早計だろう。人気薄が想定されるので面白いが、8枠に入ってしまったことから3番手に評価を落とした。
△15ニシノラッシュ
2年前の阪急杯4着馬。この馬も先行脚質で、近2走はどちらも前が総崩れになる展開で、先行しての凡走だった。今回は明確に先行したい馬が少なめで、ペースは近2走よりは楽になると予想されるので、展開は向きそうだ。外枠だが、脚質的にも直線では内目にいる可能性が高いので、押さえておきたい。(文 ケータロー)
阪急杯2020 予想
◎5クリノガウディー
○6フィアーノロマーノ
▲17ラヴィングアンサー
△15ニシノラッシュ
推奨買目
単勝◎
ワイド◎‐○▲△
《ライタープロフィール》
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。