マルターズアポジーの逃げ方が鍵
3月1日(日)に中山競馬場で行われるのは中山記念(GⅡ・芝1800m)。近年ではドバイ、香港、大阪杯と中距離GⅠ路線の前哨戦としてますます有力馬が集まるようになったGⅡ競走だ。昨年春秋マイルGⅠを制覇して最優秀短距離馬のタイトルを手にしたインディチャンプやエリザベス女王杯で久々の勝利を挙げたラッキーライラックなどの人気が予想されるが、その両馬の評価や、その他でオッズ的な観点から狙いたい穴馬を検討していく。
まずはレース傾向や展開、馬場傾向を分析していこう。

過去には個性派逃げ馬シルポートが2年連続で穴を開けたレースで、開幕週の中山らしく逃げ馬は残りやすい。勝った馬も番手からの競馬というパターンが多い。“差し競馬”と唯一呼べる2010年は不良馬場と、前半が2秒も速いペースが原因。良馬場で行われる限りは先行馬中心の狙いが妥当だろう。
今年のメンバーでは何と言ってもここが引退となるマルターズアポジーの逃げが濃厚。果敢な逃げでファンを魅了した同馬にかつての相棒・武士沢騎手が騎乗する以上、生半可なペースにはならないだろう。脚質的には多少のハイペースでも先行有利の傾向は変わらないレースなのだが、シビアな流れになるのでスタミナ不安のある馬は減点しておきたい。
内にグリーンベルトが出現

1200~3600mまで7種類もの距離設定が存在する中山の芝コースだが、おおまかな解釈として外回り(=コーナー部分が多い)を使用する1200mや1600mはやや内枠有利、逆に内回りを使用する1800mや2000mはやや外枠有利と思っておくとよい。1800mでの連対率トップは5枠、2位は8枠で、若干ながら外枠の方が成績がよい。1枠は勝率、連対率最下位、複勝率7位と不振なので割り引きが必要。
一方、馬場状態を考えると今週は開幕週。1回開催はCコースを使用していたが、今週はAコース。仮柵で保護されていた部分を開放するので、セオリー通りなら内にグリーンベルトができる。枠順は必ずしも内でなくてもよいが、大外をぶん回すような差し馬よりは、インでロスなくためを作りながら立ち回れる馬の方が馬場に合いそうだ。
ここまでの内容を整理すると、
1.多少のハイペースでも先行有利のレース傾向
2.今年はシビアなペースが予想される。距離(スタミナ)不安の馬は減点
3.開幕週なので内を立ち回りたいが、1枠はコースデータ上いまいち
ということになる。以上をふまえて出走馬の検討に移る。
年度代表馬とダブるラッキーライラック
本命はラッキーライラック。2歳時から牝馬GⅠで活躍し、その後やや伸び悩みながらも4歳秋にエリザベス女王杯で外国人騎手にスイッチして快勝、と書くと昨年の年度代表馬リスグラシューにそっくりの経歴。安易に騎手に原因は求めたくないが、それまでは「先行してそこそこ」という競馬が続いた中で突然上がり32.8の豪脚を繰り出してのGⅠ勝利なので、新しい扉を開いた印象はある。

ちなみに今回騎乗するMデムーロ騎手は中山記念に6回騎乗して3勝、2着1回という中山記念男。好不調の波が激しい騎手だが、最近は馬もまた集まり始めて一時期のどん底は脱したようだ。ここも確実に結果を出して春のGⅠシーズンへ流れに乗りたいところだ。
対抗は少しひねってソウルスターリング。かつてのGⅠ2勝馬も3歳秋以降は鳴かず飛ばずで「終わった馬」と思われているはずだし、失礼ながらそう思っていた。しかし、昨年のヴィクトリアマイルではハイペース、内枠有利の馬場状態でスーパーレコードが出る中、16番枠から外の4番手という不利な競馬を強いられながら0.7秒差と思いのほか踏ん張った。能力的には意外とまだ戦える余地を残しているかもしれない。2度の出走取消と順調さを欠いたことは気になるが、一発があるとすればこの馬か。
3番手はダノンキングリー。正直、これといった強調点があるわけではないが、後述する他の人気馬より不安要素がないので3番手に据えた。距離的には1800mがドンピシャだろう。
インディチャンプは昨年の毎日王冠を見ても1800mは能力でなんとかごまかしているだけ、という印象。ベストはマイルで、マルターズアポジーの作るシビアなペースが一番こたえそう。コースデータ上で1枠の成績がよくないこともあるが、そもそもこの馬は出遅れ癖持ちなので内すぎる(=リカバリーが利かない)1枠は二重で不安材料。押さえ程度にとどめておきたい。
ウインブライトは連覇した過去2年とは臨戦過程が違って香港C以来のレース。中山では絶対的な信頼感のあった馬だけに昨年オールカマーのポカが気になるが、その原因を休み明けに求めるなら今回も怪しいということになる。何より主戦の松岡騎手が負傷で乗れないことが極めて痛い。人気馬から1頭消すならこの馬を選んでおく。
以下、昨年同レース以来のベスト距離で残り目があってもいいマルターズアポジー、叩き良化型だが人気の盲点になりそうなペルシアンナイトはまで押さえたい。
▽中山記念予想▽
◎ラッキーライラック
○ソウルスターリング
▲ダノンキングリー
△インディチャンプ
×ペルシアンナイト
☆マルターズアポジー