ようやく現れたクラシックを目指せる馬
先週末の新潟競馬場で行われた2歳戦はハイレベルなレースが多かった。土曜2R・芝1600mの未勝利戦ではルージュラテール(栗東・矢作芳人厩舎)が1:34.3という好タイムで勝利、日曜6Rを制したステルナティーア(美浦・岩戸孝樹厩舎)は残り200m過ぎまで持ったままの抜群の手応えで進出すると上がり32.7の末脚を繰り出し、非凡な瞬発力を見せつけた。
しかしこれらの馬ではなく、今回は8月7日(土)の新潟5Rの新馬戦(芝1600m)を勝利したフォラブリューテ(美浦・宮田敬介厩舎)を取り上げる。父はエピファネイア、母は2008年のマイルCSを制したブルーメンブラット。キャロットクラブでは総額3,000万円(一口75,000円)で募集された。
スタートはやや遅めながら、スッと中団に取り付き7番手の外を追走。前半800mの通過が49.2(12.5-11.5-12.4-12.8)とスローペースだったものの折り合い面の不安も全く感じさせなかった。
レースは4角から直線を向くあたりで徐々にペースアップ。鞍上の川田将雅騎手も少しずつ馬を促しながら、外へと誘導する。そして残り400mの標識を過ぎたところからエンジン全開、最後は後続に4馬身差をつけて1:35.0というタイムで完勝した。
ペースもそこまで速くなかったため、特出するほどのタイムでの決着ではなかったが、ラスト3ハロンのレース上がりが33.7、ラップが11.2-11.1-11.4だったところを0.7秒上回る脚を披露。ラスト2ハロン目の11.1のところでフォラブリューテ自身は10秒台半ばの脚を使っていることが想像でき、能力の高さを感じる内容だった。
決してスローペースの瞬発力勝負に特化したマイラーといったタイプではなく、距離は2000mくらいまで伸びても全く問題なさそう。母ブルーメンブラットの9番仔にしてようやく牝馬クラシックでの活躍が期待できる馬が現れたといっていいだろう。