「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

【関屋記念】実力上位の牝馬2頭が5つの条件をクリア! 他に穴馬3頭がハイブリッド式消去法で浮上

2021 8/11 06:00八木遊
過去10年の関屋記念『前走1.0秒差以上で負け』×『父サンデーサイレンス系』の成績,ⒸSPAIA
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA

5つのデータから絞れた馬は?

いきなり個人的な話で恐縮だが、先日、数年に一度ある体調不良に見舞われ、2週連続で競馬なしの生活を送った。“リフレッシュ効果”で勝負勘を取り戻したいところだ。

2週間ぶりの予想は8月15日に新潟競馬場で行われる『関屋記念』。過去10年のデータから、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。当てはまった馬を消していく。除外対象のソッサスブレイを含めた19頭を対象に進めていきたい。

『前走1秒0差以上で負け』×『父SS系』★0.0%★

まずは前走のパフォーマンスに注目。1秒以上の差をつけられ敗れていた馬は【1-2-0-37】(複勝率7.5%)と、この時点で複勝率は10%を割り込んでいる。ハイブリッド式では、これにもう一つデータを掛け合わせて、さらに対象を絞り込む。取り上げるのは血統データ。父サンデーサイレンス(SS)系の馬で前走1秒以上離され関屋記念に出走したのは過去10年で13頭。例外なく、全て馬券圏外に沈んでいた。

今年このデータに当てはまったのは、ヴィクトリアマイルで1秒3差負けのクリスティなど3頭。新潟実績があるベストアクターは気になる存在だが、思い切って消しとする。

【今年の該当馬】
・クリスティ
・ベストアクター
・マイスタイル

『前走ハンデ戦』×『前走から斤量増』★2.8%★

続いては前走レースに注目した。取り上げたいのは、ハンデ戦からここに向かってきた馬。過去10年の成績は【4-7-3-64】(複勝率17.9%)と極めて平均的だ。ところが関屋記念に前走から斤量増で臨んだ場合、その成績はなんと【0-1-0-35】(同2.8%)と好走は絶望的。狙うなら、【4-6-3-29】(同31.0%)と好成績の同斤量・斤量減組だろう。

今年この条件に当てはまったのは3頭。前走中京記念で混戦を断ったアンドラステは、今回1kg増の55kgを背負う。川田将雅騎手から岩田望来騎手に手が戻るのもマイナスとみて消去したい。

【今年の該当馬】
・アンドラステ
・グランデマーレ
・ブランノワール

『美浦所属騎手』×『前走6番人気以下』★4.8%★

3つ目の消去データでは騎手データを取り上げたい。美浦所属騎手は過去10年で【7-4-4-92】(複勝率14.0%)。栗東所属騎手の【3-6-6-37】(同28.8%)に比べ、複勝率は大きな差がある。関東騎手が前走6番人気以下の馬に騎乗した時の成績は【1-1-1-60】(同4.8%)で5%を割り込んだ。3つ目のデータはこの組み合わせを採用したい。

今年この消去データに当てはまったのは以下の7頭。上位人気が見込まれるカラテ、連覇を狙うサトノアーサーなどをばっさり消去する。

【今年の該当馬】
・アトミックフォース
・カラテ
・サトノアーサー
・ソッサスブレイ*(除外対象)
・プールヴィル
・(マイスタイル)
・ミラアイトーン

『関東馬』×『6歳以上』★5.6%★

関屋記念は関東圏での開催にもかかわらず、“西高東低”はここでも……。関東馬は過去10年で【5-0-5-64】(複勝率13.5%)と、関西馬の【5-10-5-66】(同23.3%)に大きく見劣る。関東馬の中でも、特に苦戦しているのが高齢馬。6歳以上は、【2-0-0-34】(同5.6%)で、複勝率は10%を割り込んでいる。

4つ目のデータに当てはまったのは4頭。うち3頭はすでに消去済みで、新たにウインイクシードが消去リストに加わった。

【今年の該当馬】
・ウインイクシード
・(ソッサスブレイ)
・(ベストアクター)
・(ミラアイトーン)

『3~4歳馬』×『非社台系生産』★6.7%★

最後の消去条件でも年齢を取り上げたい。注目したのは3~4歳馬。過去10年の成績は【3-3-4-24】(複勝率29.4%)と非常に優秀だ。ただし、それは社台系生産馬に限った話。社台系の【3-3-3-10】(同47.4%)に対し、非社台系生産馬は【0-0-1-14】(同6.7%)で、馬券に絡んだのは13年3着のレオアクティブだけだった。

今年この条件に当てはまったのは2頭。クリスティは真っ先に消去済みで、新たに外国産馬のロータスランドを消しとしたい。

【今年の該当馬】
・(クリスティ)
・ロータスランド

5つの条件を経て、19頭中14頭の消去に成功した。最終的に残ったのは、シャドウディーヴァ、ソングライン、ハッピーアワー、パクスアメリカーナ、ラセットの5頭。シャドウディーヴァとソングラインの牝馬2頭はこのメンバーに入っても実力は上位だろう。ともに斤量の恩恵も受けそうだ。この2頭を軸に、人気薄が予想される他3頭に流す馬券で勝負するつもりだ。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、恥を覚悟でTwitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載中(7月25日時点の回収率は25.9%)。

《関連記事》
【関屋記念】今年は高速決着か? カギを握るマイスタイル、高速マイルに強い馬とは?
【小倉記念】七夕賞組は差し馬、ハンデ増を狙え! 当日まで覚えておきたいデータとは
【関屋記念】伝統のマイル重賞! 「クセ馬」ブルーイレヴンの勝利、兄弟連覇など関屋記念の歴史を振り返る