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【CBC賞】格上挑戦馬の激走にも注意! 参考レースからのヨカヨカ、ピクシーナイトの評価は?

2021 7/1 06:00坂上明大
2021年CBC賞の参考レースⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

展開不利の逃げ

今年は小倉競馬場を舞台に行われるCBC賞。芝1200mでは最も直線の長い中京から、最も前半のペースが速くなりやすい小倉に条件が替わるだけに、例年とは全く異なるタイプの好走が予想される。ハンデ戦がゆえに適性の重要度は高く、距離やペースに対する対応力が重要な一戦となりそうだ。

【NHKマイルC】
Aコース最終週で内目の馬場が傷み、外を通る馬に向くトラックバイアス。さらにレースは前後半3F33.7-34.7の前傾1.0秒のハイペース。「外後有利」と評価。

12着馬ピクシーナイトはそんなペースをつくった逃げ馬。折り合いがついている感もなく、まったくタメが利かなかった。体形的にはマイラーだが、1200mへの短縮でひと押し利けば。

楽逃げも短縮プラス

【京王杯SC】
Bコース替わり初日で外有利のトラックバイアスは解消。週中の雨量も少なく、非常に速い馬場状態で競馬が行われた。レースはビオグラフィーが気風良く逃げて前後半3F34.3-34.3と流れたが、後続はついていかず2番手以降は35.0-33.6の後傾1.4秒。末脚の利く馬場状態ではあったが、さすがに「前有利」の展開であったか。

5着馬ビオグラフィーは単騎逃げではあったが、我慢が利いているようには見えず。四肢が短く頭も高いため、やはり距離は1200mがベストだろう。展開が向いた点は考慮する必要があるが、距離短縮による加点も必要か。

12着馬タイセイビジョンは行き脚がつかず後方からとなったが、終始シーズンズギフトに外につけられてテンション高目。臆病な馬であり、馬群を捌くのにも苦労。展開も向かず、消化不良の一戦であった。ただ、小倉芝1200mは少々忙しいか。

G1上位の地力を証明

2021年葵Sの馬場/展開バイアスインフォグラフィックⒸSPAIA



【葵S】
Bコース替わり初日で時計が速く、内目の馬場状態もかなりいい状態。レースラップは前後半3F33.2-34.9だが、2番手は33.6-34.5程度であり、レース当時が直線向かい風であったことを考慮すると公式ラップほど先行馬に厳しい流れではなかったか。「内有利」。

2着馬ヨカヨカは出遅れて後方からとなったが、道中で徐々にポジションを上げていき、ラスト1Fは後方待機勢にも引けを取らない数字。スタートさえまともであれば、差し切っていた可能性は高い。1400mがベストと見ているが、G1で上位争いを演じられた地力は本物だ。

格上挑戦馬にチャンスあり!?

今年は手薄な顔ぶれとなったCBC賞。1400~1600mがベストの馬も多く、ハンデ差も考慮すれば格上挑戦でもチャンスあり。淀屋橋Sの走りからすれば、良馬場ならクーファウェヌス、渋るようならクリノアリエルの激走には注意したい。

注目馬:クーファウェヌス、クリノアリエル

※記事内の個別ラップは筆者が独自に計測したものであり、公式発表の時計ではありません。

ライタープロフィール
坂上明大
1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。


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