小倉千二は逃げか追込か両極端。それを分かつ原因は
小倉といえば1、2コーナーが丘で、3、4コーナーが谷になっており、なおかつ最後の直線は平坦になっているのが特徴のコース。さらに3,4コーナーのスパイラルカーブは進入しやすく、抜け出すところで広がりを見せる。
例えるならばシャワーのような感じで、ホースの中を一気に水が駆け抜け、4コーナー出口がシャワーヘッドとなり一気に直線に水が広がる。ただ、放水された水がどの程度の勢いかはクラスによって変わる。
2018年からの3歳上3勝クラス&オープンという上級クラス全14レースで傾向を見ると、逃げ切りは2度のみ。先行決着といえるのも1度のみで、残りの11レースでは全て差しか追い込み馬が勝利している。3コーナー通過順位が二桁という後方の馬が7勝を数え、半数を占めているのである。2歳戦や下級戦を含むと逃げ先行比率が飛躍的に高まるが、上級戦でレベルが上がると最後の直線で逆転する割合のほうが高い。
ちなみに上級戦で逃げ、先行馬が勝った3例はいずれも決着時計が1分8秒台と遅め。今年は1月、2月と2節使用したとはいえ、しっかり春に養生した開幕週で時計が速くならないはずもなく……と言いたかったところであるが、小倉の天気は金曜から雨マークがずらりと並ぶ。雨も想定に入れねばならない。開幕週の芝根が活きるか、雨でボコボコになってしまうかは正直わからないが、近年傾向に頼れば、重になって時計が落ちても差し傾向優勢は変わらない。短距離で差せる有力馬を探すのが基本線になるだろう。
また、今年は小倉競馬で1月から2月に2節の開催が連続してあったのは前述の通りだが、1回小倉の開幕日1勝クラスで衝撃の1分6秒9という時計が出ていたのを忘れてはいけない。開幕日には未勝利で1分7秒1。2勝クラスの小郡特別で1分7秒4など破格の時計が出ている。その後、雨の影響で2秒ほど時計が落ち、乾いたであろう2回小倉1日目で再び1分7秒台を連発した。
芝の状態がよかった2月14日(2回小倉2日目)のオープン・北九州短距離Sでは良馬場ながら小雨が降る微妙な状況だったが、時計は1分7秒ちょうどの高速決着。勝ったのは3コーナー15番手から追い込んだラヴィングアンサーだった。やっぱり基本線は差し・追い込み馬だ