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【オークス】立ちはだかる距離の壁! 無敗の桜花賞馬ソダシと過去の三冠牝馬の違いとは?

2021 5/16 17:00勝木淳
オークスインフォグラフィック1ⒸSPAIA
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1番人気は大崩れなし

デアリングタクトに続き、無敗で桜花賞を勝ったソダシが二冠に挑む。今年のオークスも主役、テーマともに鮮明なレース。そして毎年必ず、桜花賞馬の2400mへの適性、一気に800m延びる距離に対応できるか否か、ここが焦点になる。牝馬クラシックは一冠目の桜花賞まではマイルのまま、2歳時の延長戦といった図式になりやすい。事実、今年も2歳女王が無敗で桜花賞を制した。オークスでは距離の壁という新たな課題が待ち構える。ここでは過去10年間のデータを使用し、距離延長に対するヒントを導く。


過去10年人気別成績ⒸSPAIA


まずはオークスというレースの輪郭をつかもう。人気別成績をみると、1番人気【5-2-1-2】勝率50%、複勝率80%。馬券圏外になったのは11年4着マルセリーナ、12年13着ミッドサマーフェアのみ。13年以降は崩れていない。2番人気は【1-2-4-3】と勝率は低いが、複勝率70%と安定。1、2番人気がともにいなくなるとは考えにくい。3番人気以内が【8-4-6-12】。上位人気馬がとにかく強い。4番人気以下は横一線といった状況で、穴狙いは難しい。

桜花賞は最終的に1番人気を譲ったソダシだが、サトノレイナスが日本ダービーに回ったことで、今度こそは確実に1番人気だろう。人気の傾向では崩れるとは考えにくい。まして、サトノレイナス不在で2番人気以下は桜花賞よりも混戦。馬券的に難しくなった。


桜花賞で先行できた馬は苦戦中

ここからは桜花賞組も含め、戦歴別にその傾向を探っていこう。まずは前走レース別成績を調べる。


過去10年前走レース別成績ⒸSPAIA


前走が桜花賞だった馬は【7-4-5-63】。10年間で7勝と断然だが、当然このローテは数も多く、ピックアップするには工夫が必要だ。


過去10年前走桜花賞組着順別成績ⒸSPAIA


桜花賞組の着順別成績を出すと、桜花賞馬は【3-1-0-4】。この10年で8頭がオークスに挑戦、ジェンティルドンナ、アーモンドアイ、デアリングタクトが二冠達成。いずれも秋華賞も勝ち、三冠馬に輝いた。一気の距離延長になるオークスを勝てる桜花賞馬は三冠確定ということだろう。2着だったのはヌーヴォレコルトに屈したハープスター。馬券外に敗れた4頭は11年4着マルセリーナ、13年4着アユサン、15年10着レッツゴードンキ、17年13着レーヌミノル。いま思えば、距離延長がプラスとは言えない馬ばかり。やはりここはポイントだ。

桜花賞3着は【2-1-1-5】でこちらは五分五分。ファインルージュは微妙だ。4着【0-0-0-5】も不吉なデータで、アカイトリノムスメはどうだろうか。クイーンC勝ち、桜花賞4着といえば、この10年では16年メジャーエンブレムがいるが、同馬はオークス不出走だった。また桜花賞掲示板外だと【1-1-1-39】。13年メイショウマンボが桜花賞10着から巻き返したが、ここも難しいところ。ククナ、エンスージアズム、ストライプ、このなかに距離延長で一気にひっくり返せる馬がいるだろうか。


過去10年前走桜花賞組着順別成績ⒸSPAIA


桜花賞組をさらに別角度から考えてみる。前走位置取り別成績でみると、桜花賞で逃げ・先行だった馬は【0-1-1-13】、一方、差しに回ると【7-3-4-50】。マイル戦で先行できるようなスピード色が強いタイプはオークスでは苦戦、前半で位置を取らなかった馬が優勢だ。距離面を考えると、このデータも納得。桜花賞4コーナー3番手だったソダシはこのデータには触れる。阪神JFも4コーナー4番手だったように、これまでマイル戦で前受けできるという点はセールスポイントだった。

ジェンティルドンナ、アーモンドアイ、デアリングタクトはどちらかと言えば、マイル戦に不安があった。距離延長を疑問視されたアパパネも同着でオークスをクリア。のちに三冠馬になったので、同世代なら距離の壁を越えられそうだが……。データからはファインルージュやアールドヴィーヴルあたりは巻き返す余地がありそうだ。


過去10年前走桜花賞組人気別成績ⒸSPAIA


過去10年前走桜花賞2番人気組着順別成績ⒸSPAIA


桜花賞は1番人気より2番人気が強いというデータを当時紹介したが、最終的に1番人気はサトノレイナスになり、ソダシが2番人気。そのデータ通りの結果になった。それが反映されているのか、桜花賞での人気別成績は2番人気が【4-0-1-3】。かつ桜花賞を勝った馬は【3-0-0-1】と圧倒的。負けたのはマルセリーナのみ。ソダシには不安なデータも追い風になるデータもある。最後は我々が距離延長をどう考えるかにかかっている。


別路線組も位置取りがカギを握る

最後に別路線組について考える。トライアルのフローラS【0-5-3-37】と【3-0-1-7】の忘れな草賞の傾向を位置取り別成績から探る。


過去10年前走フローラS組位置取り別成績ⒸSPAIA


フローラSの逃げ・先行は【0-1-1-12】、中団【0-4-1-16】、後方【0-0-1-9】と桜花賞と同じく差しに回った組がいい。クールキャットやスライリーより3着ユーバーレーベンが狙いか。阪神JFではソダシ、サトノレイナスに次ぐ3着。力はここでも足りる。


過去10年前走忘れな草賞組位置取り別成績ⒸSPAIA


この傾向は忘れな草賞も同じ。逃げ・先行は【0-0-0-4】で中団は【2-0-1-2】。忘れな草賞を勝ったステラリアは中団追走から末脚を発揮。オークス好走パターンにはまる。忘れた頃の忘れな草賞とは言うが、19年1着ラヴズオンリーユー、20年3着ウインマイティーとここ2年連続でオークス好走馬を出した。マイル戦に早々に見切りをつけ、中距離経験を積むという意味では出走間隔が桜花賞と同じ忘れな草賞組は今後トレンドになりそうだ。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース公式コメンテーターを務める。


オークスインフォグラフィック2ⒸSPAIA



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