適性抜群、ハーツクライ産駒
2月20日(土)に東京競馬場で行われる第71回ダイヤモンドS。冬場の名物長距離重賞戦としてすっかり定着している。ここ10年の単勝配当は3桁(8回)か、5桁(2回)かという極端な結果が出ているこのレース。今年は堅いのか、それとも大荒れなのか。出走馬の好走パターンを検証して週末に備えたい。
まずは年齢から。4~8歳までまんべんなく勝ち星を挙げているが、勝率を比べると4歳、5歳、6歳の順となっている。特に4歳馬は複勝率が47%以上もあり、出走馬の半分近くが馬券に絡んでいることになる。4歳馬が馬券の中心と考えていいが、ほかの世代にもチャンスは十分残されている。
また、連対馬は全て牡馬かセン馬。そもそも牝馬の出走頭数が極端に少ないレースでもある。東西所属別だとホームの美浦所属馬が7勝とリード。出走頭数がほぼ同じということを考えると、素直に美浦所属馬が有利と考えたい。
続いてはハンデの傾向。ここでは牡馬・セン馬に絞って傾向を見ていく。最も勝ち馬を出しているのは54キロの3勝。ただし54キロを背負った馬は出走頭数も最多で、勝率、連対率ともに10%を切っている。好走が目立つのは、一般的に「重い」と言われる58キロ以上を背負った馬。【3-2-0-4】で、勝率5割を超える優秀なものだ。逆に「軽い」と言われる52キロ以下から勝ち馬は出ていない。
しかし、長い距離を走ることによる負担を考えると、ハンデは大いに影響しそうなものだが、重い馬の方が活躍しているというのは意外。一方で長距離戦における枠順はあまり関係ないだろうと思っていたが、調べてみると8枠の数字が突き抜けていい。実に半分の5勝を挙げており、連対率も40%越え。特に16番枠の好走率がすさまじく、連対率66%以上となっている。ラッキー枠という言葉だけでは済まされず、大外枠が有利な理由があるのかもしれない。
逆に死に枠は6枠。19頭が出走して1頭も馬券に絡んでいない。狙った馬がこの枠に入らないように祈るだけだ。
有利な脚質はというと、差し馬が11連対。広い東京競馬場を2周半、しかも最後に待ち受けるのは長く、さらに坂がある直線。先行馬がこれをしのぎ切るには相当のスタミナが必要ということか。
長丁場であるこのレースに強い種牡馬はハーツクライ産駒。【4-2-1-7】と断然の成績を誇っている。これまで多くの重賞レースのデータを調べてきたが、ここまで突出して種牡馬成績がいいのは珍しい。もちろん、同産駒のフェイムゲーム(3勝、2着1回)の貢献が大きいのだが、相性のいい種牡馬として覚えておいて損はないだろう。
生産者に関してもフェイムゲームの成績が大きく影響しているのだが、それを差し引いてもノーザンファーム生産馬の6勝は断トツの数字。2位が1勝で横並びだから、抜けて多いのが分かる。ここ10年間で最多の42頭を送り込んでいる(2位は8頭)こともあるだろうが、これは無視できない数字。