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【ジャパンC】三英雄並び立たず?データから1頭切るならコントレイル

2020 11/24 06:00門田光生
2020年ジャパンカップのデータインフォグラフィックⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

いよいよジャパンカップ

マイルCSが終わったその夜、この原稿の仕上げへと取り掛かったのだが、その前にレースを見直してみた。勝ったグランアレグリアは発馬が決まったのもあって、スプリンターズSより位置取りが前。直線でライバル達にフタをされたのはさておき、今回の流れだとスプリンターズSと同じ位置取りだと届かなかっただろう。

ルメール騎手の騎乗を見ていると「先行馬」「追い込み馬」という概念ではなく、「そのレースで勝てる位置取りはどこか」だけを意識しているのではないかと思われる。お見事でした。それにしてもルメール騎手、アーモンドアイといい、このグランアレグリアといい、既存の鉄板データをことごとく撃破してくれますね……。

今週は11月29日(日)に東京競馬場で行われるジャパンカップ。1週前登録を見て何に驚いたかといえば、外国馬の名前があったこと。以前にJRAの関係者が「今年は外国馬の参戦は難しいのではないか」と言っていたので、てっきり受付すらしていないものと思っていた。さすがに2年続けて外国馬の参戦なしでは、「ジャパンカップ」の名称を「全日本選手権」に変えた方がいいのでないか、とか思ったりしていたところ(冗談です)。とにもかくにも、この大変な状況でよく来てくれたものである。

とはいっても、今回の注目はその外国馬ではなく、3頭の三冠馬であることは間違いない。あくまでデータを利用して勝ち馬を探していくのがこのコーナーの趣旨なのだが、今回ばかりは3頭に焦点を当てて、どの馬が最も好走する可能性が高いのかもまた、同時に進めていきたい。

3歳馬有利、だが…

年齢別

性別

菊花賞の時期を11月から10月に移動させた理由は、確かジャパンカップへ3歳馬の参戦を促すためだったような記憶があるのだが、ここ10年で菊花賞→ジャパンカップのローテーションを取った馬は5頭だけ。これなら、元の時期に戻して菊花賞→有馬記念ローテーションを確立させた方がいいのではないかと思う。

それはさておき、ジャパンカップで最も勝率、連対率がいいのは、実はその3歳馬。出走頭数は4歳馬の半分だが、連対数はほぼ同じ。次いで4歳、5歳となり、6歳以上は連に絡んでいない。

では5歳のアーモンドアイが最も不利かといえば、そうではない。3歳牡馬、3歳牝馬、5歳牝馬に細かく分けてみると、最も厳しい数字が出たのは3歳牡馬で【1-1-1-12】。一方の3歳牝馬は【2-2-0-7】で連対率が36%を超える優秀な数字。5歳牝馬はサンプルが少なく【1-0-0-2】。性別で見ると牝馬が牡馬を圧倒しているデータがあるので、ここではデアリングタクト、アーモンドアイ、コントレイルの順とする。

三冠牝馬に実績あり

所属別



昨年、創設39年目にしてついに外国馬の参戦が途切れたのだが、その外国馬が連対したのは2005年のアルカセットが最後。地方馬に限っては、最近名前を見た記憶すらない。

純粋に美浦VS栗東の戦いとなっているのだが、このレースに地元の利はないようで、栗東所属馬が9勝と断然。所属別ではアーモンドアイが不利となっているが、ここ3年は美浦勢が連対。勢いを取り戻しているのは間違いない。

前走人気



人気を調べてみると、前走で1番人気に支持された馬が7勝と強さを見せている。当然だが、このデータは3頭ともクリアしている。

出走間隔別

前走レース別



続いてジャパンカップのベストローテーションだが、最も連対数が多いのは中3週の9連対。天皇賞(秋)がこのローテーションとなる。菊花賞組は中4週で勝ち馬が1頭だけ、秋華賞組の中5週は3連対。ちなみに、京都大賞典組の中6週というのも4連対しており、好走が目立つローテーションだ。

連対数で圧倒しているのは天皇賞組だが、好走率が高いのは秋華賞組。【2-1-0-2】で勝率40%、連対率60%は特筆すべき数字。三冠牝馬の先輩であるジェンティルドンナ、アーモンドアイがともに秋華賞→ジャパンカップと連勝しているのはデアリングタクトにとって心強いデータだ。というわけで、ここではデアリングタクト、アーモンドアイ、コントレイルの順とする。

ちなみに、アルゼンチン共和国組が全く結果を残せておらず、出走した18頭全てが連を外していること、また前走から中9週以上開いた馬も馬券に絡んだことがないことも付け加えておく。

馬体重別



最後に当日の馬体重を。このレースはなぜか当日の馬体重が460~479キロだった馬の成績が抜群にいい。コントレイルはあと2キロ増えれば、またデアリングタクトはあと2キロ絞れればこの馬体重の範囲内に入ってくる。

天下統一、デアリングタクト

ここまで三強を中心にデータ検証してきたが、<年齢・性別><所属><ローテーション>の3つとも優位に立ったのは3歳牝馬デアリングタクト。上記でも書いたが、ここ10年で2頭の三冠牝馬が同年のジャパンカップに出走し、ともに勝っているのだ。牝馬が大活躍している今年の傾向からも、三強の中ではデアリングタクトが最も勝利に近い位置にいると結論付けたい。

ちなみに、牡馬三冠を達成した過去の馬だが、ナリタブライアン、ディープインパクト、オルフェーヴルの3頭は菊花賞→有馬記念のローテーションを取っており、直近の牡馬三冠馬でジャパンカップへ駒を進めたのは1984年のシンボリルドルフまでさかのぼらなければいけない。その年のジャパンカップも前年の牡馬三冠馬ミスターシービーとの初対決で話題となったが、勝ったのは伏兵カツラギエースだった。

最も苦しいと思われるのはコントレイル。菊花賞から参戦して連対したのは2010年のローズキングダムが最後。デアリングタクト、アーモンドアイと比べると強調材料を欠くのは確か。

アーモンドアイは直近10年で1勝しかしていない美浦所属馬が割引材料だが、その1勝はこの馬自身が挙げたもの。三冠牝馬でいえばジェンティルドンナがこのレースを2勝しており、その看板を背負っている同馬も資格は十分あるだろう。

ほかに目を向けてみると、やはり牝馬のカレンブーケドールが気になる。3連対している4歳牝馬で、東京2400mのGIで2度好走が心強い。そこに、相性のいい京都大賞典組のグローリーヴェイズも加える。

三強独占の可能性は低いとみて、牝馬中心の馬券を組み立てで年末の資金を調達だ!

◎デアリングタクト
〇アーモンドアイ
▲カレンブーケドール
△グローリーヴェイズ

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。
血統をかじっている人間にすれば、外国馬の見たことのない血統表を眺めるだけでも楽しかったのですが、最近は来日することすらままなりません。種牡馬も一時に比べると減りましたね。ボーザムのような超マイナー血統が日本に来ることはもうないのでしょうか。


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