名レース必至のジャパンカップ!
競馬ファンであれば「マイベストレース」があるのではないだろうか。私は「1998年毎日王冠」である。
当時、圧倒的スピードを誇っていたサイレンススズカに、エルコンドルパサー、グラスワンダーの無敗の若武者が挑むと聞いた時には何とも言えない胸の高揚感が一週間続いた。あの時の様な興奮がいま蘇ってきている。
今回はコントレイル、デアリングタクトにスポットをあて、歴代の三冠馬との力関係を中心に2頭の現状を探っていきたい。
競馬ファンであれば「マイベストレース」があるのではないだろうか。私は「1998年毎日王冠」である。
当時、圧倒的スピードを誇っていたサイレンススズカに、エルコンドルパサー、グラスワンダーの無敗の若武者が挑むと聞いた時には何とも言えない胸の高揚感が一週間続いた。あの時の様な興奮がいま蘇ってきている。
今回はコントレイル、デアリングタクトにスポットをあて、歴代の三冠馬との力関係を中心に2頭の現状を探っていきたい。
1941年のセントライトから今年のコントレイルまでで計8頭の牡馬の三冠馬が誕生した。馬場状態もペースも違う中で、タイムだけで比較するのはあまりにも乱暴かもしれないが指標の一つとして調べていく。
まず、重馬場で行われた皐月賞の勝ちタイムは「2:00.7」であった。過去の最高タイムは1994年ナリタブライアンの「1:59.0」、コントレイルは8頭中5位の数字となっている。日本ダービーの勝ちタイムは「2:24.1」で8頭中2位の数字。トップは2005年ディープインパクトの「2:23.3」である。この時も皐月賞同様で、少々雨が残る馬場状態だった中でのタイムだから十分に立派なタイムである。
最後に大苦戦した菊花賞。タイムは「3:05.5」で8頭中4位のタイムで、平成以降の三冠馬では一番遅いタイムとなった。タイムだけで比べると、「雨適正と2,400mまでは十分に許容範囲」である事が分かる。
ちなみに、オルフェーヴル以外の全馬が、日本ダービーで後続につけた着差が皐月賞以上に広がっていた。
今にして思えば、オルフェーヴルは菊花賞以降、国内において2400m未満のレースでは[2-0-0-0]、2400m以上のレースでは[2-2-0-1]の成績であった。クラシックで最大パフォーマンスが皐月賞だった事を考えると、2000mくらいがちょうど良かったのかもしれない。
ちなみにナリタブライアンは菊花賞がベストパフォーマンスで1.1秒差。以降に調子を大きく崩したとはいえ、2400m未満[0-0-0-3]、2400m以上[3-1-0-2]で2500m以上になると4着が最低着順になる。コントレイルの最大着差は日本ダービーの0.5秒差。ジャパンカップは絶好の舞台だろう。
続いて三冠牝馬だ。1986年メジロラモーヌ以降6頭の三冠馬が誕生した。こちらも牡馬同様でタイムから比べようと思ったのだが、実は桜花賞、秋華賞は他5頭とは違い、稍重以上の時計がかかる馬場で行われているため、比較にならないのである。
比べるレースとしてはオークス一本となる。1位は2012年ジェンティルドンナ「2:23.6」、2位は2018年アーモンドアイ「2:23.8」、そしてデアリングタクト「2:24.4」の順になる。3頭ともに馬場は絶好のコンディションだった事を考えると、数字の上では少し離される形になった。
これもコントレイルとは違い悩む結果が出た。ジェンティルドンナはオークスが0.8秒差で桜花賞0.1秒、秋華賞0.0秒差と比べ格段に数字が良く、2400m以上[3-0-0-1]、2400m未満[0-2-1-2]とハッキリ適性がでている。
しかし、他5頭はどのレースもほぼ着差が変わっていないのである。デアリングタクトの場合、一番の不安点はオークスで一番着差が縮まった事にある。アパパネも同様で、その後マイル路線が主戦になっただけにその点が気になる。
昨年までの牡牝三冠馬計12頭の次走を調べると、さすがという数字が並んだ。
牡馬に関しては[3-2-1-0]三冠達成で引退したセントライト以外が馬券内を確保し、ナリタブライアンとオルフェーヴルが有馬記念を制している。ちなみに、ディープインパクトがハーツクライに敗れて国内唯一の黒星を喫したのはこのタイミングだった。
牝馬はというと[2-1-1-1]で、ジェンティルドンナとアーモンドアイがジャパンカップ制覇を達成している。やはり、斤量がオークスよりも2kg軽い53kgで出走できる事はこの時期の牝馬には大きなメリットになりそうだ。
最後に今年ジャパンカップに挑むコントレイルとデアリングタクトはどれくらいのタイムで走れるだろうか。
まず、オークスは35.4-37.1-37.7-34.2と高速馬場のなか、道中は同日の未勝利戦と0.4秒しか変わらず、直線で瞬発力が求められるレースとなった。今回はその時よりも2kg斤量が軽くなる事と、古馬の一流どころが相手になり道中もそれなりに速くなる事を加味すると距離さえ持てば「2:23.0前後」のタイムは十分にでるだろう。
次にコントレイルのダービーは少々雨が残る馬場状態のなか、36.8-36.7-36.3-34.3と600mごとにタイムが加速するサバイバルレース。その中で先行して完勝なのだから文句なしだろう。この馬も斤量が2kg減される事を加味すると「2:22.0秒台」の走破は十分に可能だろう。よって、本記事内では総合的に判断し若干ではあるがコントレイルに分があると結論付けたい。
今年は3歳無敗馬の他にも、歴代最多GⅠ制覇を果たしたアーモンドアイ、クラシックホースのキセキ、サートゥルナーリア、マカヒキ、ワールドプレミア、ラヴズオンリーユーなど本当に豪華メンバーが揃った。この夢の様な一週間を存分に味わいたい。
《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。
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