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【デイリー杯2歳S】レコード連勝レッドベルオーブ! マイルGⅠ勝ちは約束されたも同然?

2020年デイリー杯2歳Sレース展開インフォグラフィックⒸSPAIA
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レッドベルオーブがV

11月14日に阪神競馬場で行われたデイリー杯2歳S。1番人気に支持されたレッドベルオーブが2番人気ホウオウアマゾンとの競り合いをゴール前でわずかに制し、重賞初勝利を挙げた。

レースはまず3番人気のカイザーノヴァが好発。最内枠からホウオウアマゾンが出てくるのを見ながらハナを譲って2番手に。レッドベルオーブはホウオウアマゾンの後ろで行きたがるそぶりを見せながら何とかこらえた、といった様子の追走。

逃げが想定されていたスーパーウーパーは出遅れ、直後不利を受けるような形で後手を踏んでいたが、遅れて先団に上がっていき、途中から逃げる形をとった。スーパーホープはレッドベルオーブを斜め後ろから見るような位置。

前半600m通過35.0は平均か、時計の出る馬場を考えればやや遅め。少頭数で一団の馬群から直線での末脚比べ。ホウオウアマゾンが手ごたえよく先頭に立ち、カイザーノヴァが遅れをとる。

レッドベルオーブは直線入り口、前と左右を馬に囲まれる形でヒヤリとしたが、スーパーウーパーの脚色が鈍ったところをすかさず内に入り、最後は2着ホウオウアマゾンとの長い追い比べをアタマだけ制した。3着は中団で脚を溜めていたスーパーホープが入った。

一流マイラーの資質

結果だけ見れば少頭数で1-2番人気が順当に来ただけのレースだが、勝ち時計は2歳コースレコードの1.32.4。レッドベルオーブは前走も中京で2歳レコードを記録しているので、連続でのレコードVとなる。ともに馬場コンディションの恩恵もあったとはいえ、その速力はかなりの大物だろう。

この1.32.4という勝ちタイムは2歳の芝マイル戦としては史上2番目に速い時計。せっかくなので上位を速い順に並べていくと、

1.32.3 ミッキーアイル(未勝利戦)
1.32.4 レッドベルオーブ(デイリー杯2歳S)
1.32.7 サリオス(サウジアラビアRC)
1.32.7 レシステンシア(阪神JF)
1.33.0 ダノンプレミアム(サウジアラビアRC)
1.33.1 ウオッカ(阪神JF)

と名馬がズラリ。いずれもマイルGⅠを制している馬だ。レッドベルオーブも当然、GⅠ勝利を大いに期待していいのは間違いない。が、道中で折り合いの不安を見せていたことを思うと、クラシックというよりは「一流マイラー」としての活躍になりそうだ。

ちなみに、全兄のレッドベルジュールもコースこそ違えど、昨年の同レースをイン突きで制している。同一重賞を兄弟が同じような形で勝ったというのも面白い。兄は夢半ばで現役を断念、種牡馬入りとなったが、その兄の評価を弟が上げるようなストーリーも応援したいものだ。

2着以下の評価

2着ホウオウアマゾンはレースの形としてはほぼ完璧。好発から先頭へ、他馬が途中でハナを奪っても問題なく2番手で控え、最後はレッドベルオーブにしぶとく食い下がった。

前走の野路菊Sはスローペースを逃げ切り。これまでは内容的に地味だったが、今回でその評価も大きく変わるだろう。負けはしたものの勝ち馬と同タイム。先述の走破タイム上位馬を思えば、この馬がGⅠ制覇しても何ら不思議ない。

スーパーホープは中団から。直線入り口ではやや前と離れたものの、しぶとく差を詰めて3着。一度も上位を脅かすような場面には至らず、現状では力差を感じた。ただ、未勝利を脱するのに4戦を要した馬にしては、休養後の前走と今回はいい走り。今後の成長次第で面白い存在になりそうだ。

離れた3番人気だったカイザーノヴァは5着止まり。洋芝の札幌でオープン勝ちしてきた馬で、父もロベルト系種牡馬のモーリス。速すぎる馬場でスピード負けした、と評したい。今後の路線は読めないが、標準的に時計のかかるコンディションであれば一気の巻き返しがあっても驚けない。馬券に活かすという点ではこの馬を覚えておきたい。

デイリー杯2歳Sレース展開


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