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飛距離がアップするダウンスイングの体の使い方 ポイントは沈みこみ【ゴルフハウツー】

2022 2/28 06:00akira yasu
イメージ画像,ⒸOne Line bosque/Shutterstock.com
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飛距離アップには下半身の力が重要

「1ヤードでも遠くへ飛ばしたい」そう願うゴルファーは多いだろう。飛距離をアップさせるためには、スイング軌道や打点などが重要だが、求める飛距離によってはヘッドスピードも必要になる。例えば、キャリーで220ヤード飛ばすにはヘッドスピードは最低42m/s必要だ。40以下では、どれだけ効率よくボールに力を伝えてもキャリーで220ヤード飛ばすことは難しい。

では、ヘッドスピードを上げるためにはどうすればよいのだろうか。筋力などフィジカル面も大きく影響するが、スイングを改良することでヘッドスピードが上がる場合がある。今回は、ヘッドスピードが上がりやすい下半身の使い方について解説する。

「回す」だけでなく一度「沈み込む」

ゴルフスイングの理想は下半身リード。ダウンスイングで下半身が止まって、腕だけでボールに当てにいくようなスイングでは、ヘッドスピードは上がりにくい。腰が左に流れずに、その場でクルンとターンするように下半身を使うことができると、スムーズにクラブヘッドを加速させることができる。

ヘッドスピードアップにつながる下半身の動きはもう一つある。ダウンスイングで一度沈み込みそこから体を押し上げる、スクワットのような動作だ。この動作が入ることで、ヘッドスピードが上がりやすくなる。

ただ、これらの動作は基本的には意識的にするものではない。腰の回転もスクワットのような動作も、インパクト一点に意識を集中させるのではなく、アドレスからフィニッシュまでよどみなくクラブを振り抜くことができれば表れる動作だ。おそらく、バット素振りをすると腰の回転やスクワットのような動作で地面を踏む力を感じられるだろう。

アマチュア優勝まであと一歩だった佐藤心結

今季がルーキーイヤーとなる佐藤心結は、昨年10月のスタンレーレディスでプレーオフまで進み、アマチュア優勝まであと一歩の活躍を見せた。この試合での佐藤のドライビングディスタンスは、優勝した渋野日向子や昨季のドライビングディスタンスが2位の勝みなみを抑えての1位だった。

身長161センチ、プロの中に入れば細身の佐藤がこれだけの飛距離を叩き出せる理由の一つが、下半身の使い方だ。ダウンスイングでスクワットのような動作を入れることで力強いインパクトを可能にしている。

佐藤は小学校低学年までは、将来プロになれるほどのサッカー少女だった。陸上部に所属していた中学時には、神奈川県西部大会で砲丸投げの優勝経験もある。成長期に体幹や下半身が鍛えられため、地面から足、足から腕に上手く力を伝えられる能力が備わったのだろう。

プロを意識し始めた9歳から、現在YouTubeで人気の三觜喜一コーチの指導を受けている。当時中学生の佐藤が登場している回もある。「あの心結ちゃんが?」と、応援しているゴルフファンは多いのではないだろうか。

3月3日から女子ツアー開幕戦ダイキンオーキッドレディスが開催される。出場する佐藤の飛距離に注目だ。

一般的なフィジカルでも可能

まずは連続素振りをしてみよう。連続素振りとは、1回1回リセットする素振りではなく、フィニッシュまで行ったら、そのままバックスイングして、またフィニッシュへ、といったように、止まらずに素振りをし続けることだ。

これをすることで、下半身でタイミングを取る流れを体感できて、下半身の上下(縦)の力の使い方が見えてくる。

佐藤のような体の強さがなくても、スクワットのような動作を取り入れ、ヘッドスピード向上につなげることは可能だ。上体だけでボールを打ちに行って力をロスしないように、下半身の使い方に目を向けて、飛距離アップを実現させてほしい。

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