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東京パラリンピック前に知りたい!車椅子フェンシングの基礎知識5つ

2017 5/1 19:13イシカワヒロキ
フェンシング
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Photo by Rob van Esch/Shutterstock.com

東京オリンピックが近づくにつれ、ますますパラリンピックにも注目が集まっている。その中でも、車椅子フェンシングについてご存知だろうか?車椅子フェンシングは、思わず見入ってしまうほど白熱した試合が繰り広げられるスポーツだ。今回は、車椅子フェンシングの基礎知識5つを紹介する。

車椅子フェンシングとは?

車椅子フェンシングとは、下半身に障がいを持っている選手同士が、車椅子に乗りながら金属製の剣で相手に攻撃するスポーツだ。パラリンピックの車椅子フェンシングは、基本的にオリンピックのフェンシングとあまり変わらない。
大きく異なるのが、フェンシングの試合コート(ピスト)に車椅子を固定する点だ。フットワークが利用できない代わりに、上半身を巧みに使った戦略が重要だ。また、至近距離での攻防が勝敗のカギを握る。

車椅子フェンシングのパラリンピックルール

パラリンピックでは装着するマスクやユニフォーム、手に持つ剣も、オリンピックで使われる物と変わらない。試合で使う物は同じだが、ルールが異なる。それは、サーブルの競技があるのが、男子個人だけであることだ。サーブルは、相手の上半身に突きか斬りが当たると得点になる。
男子団体と女子個人・団体で選べるのは、フルーレとエペだ。フルーレは胴体部分に500g以上の突きが当たれば有効となり、エペは全身のいずれかに750g以上の突きが当たれば有効となる。

【パラリンピック】車椅子フェンシングの見どころ

オリンピックのフェンシング競技と異なる点は、他にもある。パラリンピックの車椅子フェンシングでは、障がいの度合いによってクラスAとクラスBに分けられる。この中からさらに男子・女子、個人・団体と分けられるため、パラリンピックでは計14枠の種目に分かれるのが特徴だ。
また、試合の見どころは選手の「集中力」と「体力」だ。特にエペでは攻守交替がないため、どちらが一瞬の隙を突いて攻撃を仕掛けるのかが予想できない。手に汗握る展開が繰り広げられるだろう。

車椅子フェンシングがパラリンピックに加わったのはいつ?

パラリンピックに車椅子フェンシングが選ばれたのは、1960年のローマパラリンピックからだ。既にヨーロッパでは人気があったが、ここでようやく全世界に注目され始めた時代でもある。
日本では2000年シドニー、2004年アテネ、2008年北京パラリンピックで3大会連続出場するようになったのが始まりだ。2016年リオで惜しくも出場権を逃がしたが、2020年の東京パラリンピックでは開催国のため期待したいところだ。

【車椅子フェンシング】2020年東京パラリンピックで注目の選手

パラリンピックに出場する日本フェンシング選手は、「NPO法人日本車椅子フェンシング協会」に登録している。その中でも2015年度の強化選手に選ばれて、2020年の東京パラリンピックに期待が集まっているのは安直樹選手と櫻井杏里選手だ。
安選手は、2014年まで車椅子バスケで活躍していたが、東京パラリンピックのために出場競技を転向した。櫻井選手は2015年ワールドカップで18位、同年の世界選手権で21位という実績がある。東京パラリンピックが始まるまでの間に、どれだけの実績を積み重ねていけるか期待されている。

まとめ

車椅子フェンシングは車椅子がコートに固定されるのが大きな特徴だ。また、選手同士が至近距離で激しい攻防を行うため、オリンピックのフェンシング競技以上の速い剣技が見れる。息をのむほどの熱き戦いが、2020年の東京パラリンピックでも繰り広げられるだろう。