【歴史】フェンシングの始まり
フェンシングが誕生したのは、中世ヨーロッパ(476?1453年ごろ)とされている。元々は「身を守る」「名誉を守る」といった目的で磨かれた剣技であり、徐々にスピードとテクニックが磨かれてきた。そして、1750年にフェンシングが競技化された。
マスクを着用し、剣技としての危険性を下げた「スポーツ」として、フェンシングに人気が集まったのがきっかけだ。ヨーロッパで親しまれて、その後全世界にも広がっていく。
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日本でもフェンシングが注目され始めたことにより、2020年の東京オリンピックを楽しみにしているフェンシングファンの方も多いだろう。華麗な剣技に魅了される素敵なスポーツだが、一体いつから始まったのだろうか?今回は、誕生から今に至るまでの「フェンシングの歴史」を紹介する。
フェンシングが誕生したのは、中世ヨーロッパ(476?1453年ごろ)とされている。元々は「身を守る」「名誉を守る」といった目的で磨かれた剣技であり、徐々にスピードとテクニックが磨かれてきた。そして、1750年にフェンシングが競技化された。
マスクを着用し、剣技としての危険性を下げた「スポーツ」として、フェンシングに人気が集まったのがきっかけだ。ヨーロッパで親しまれて、その後全世界にも広がっていく。
1750年ごろからヨーロッパ各地でフェンシング大会が開かれていたが、全世界に広がったのはそこからさらに100年以上先の話だ。1896年アテネオリンピックで、フェンシングが競技として取り入れられた。このオリンピックをきっかけにフェンシングの魅力が全世界に伝わったが、この時代ではまだまだルールが確立されていない。
そのため、1914年にパリで行われた「IOC国際会議」で、フェンシングの競技規則をしっかりと決める動きがあった。
日本にフェンシングが伝えられたのは、今から約150年前にさかのぼる。1868年(明治初年)に、陸軍戸山学校でフランス人教官が「片手軍刀術」を指導したのが始まりだ。
その後は日本もオリンピックに出場するために、1952年のヘルシンキ大会へ視察員を送り出した。1960年ローマ大会で日本フェンシングが初出場し、1964年の東京大会で男子フルーレが団体4位に選ばれた(フルーレとは胴体部分に500g以上の突きが当たれば有効となる、フェンシング種目の1つ)。
現在オリンピックで活躍している日本フェンシング選手は、大学時代にさまざまな大会で実績を上げている方々ばかりだ。そんな学生フェンシングの始まりは、1874年(明治7年)だ。フランスから帰国した岩倉具清氏が、慶應義塾大学や法政大学でフェンシングを指導していた。
その後は「全日本学生フェンシング選手権大会」「関東学生リーグ戦」「関西学生フェンシング選手権大会」など、日本にもさまざまな学生フェンシング大会が開催されるようになった。
日本フェンシングの実力は、年々高まってきている。2007年のフェンシング世界選手権大会では、女子フルーレ団体が銅メダルを獲得した。また、2008年の北京オリンピックでは、太田雄貴氏が男子フルーレ個人で銀メダル。
これは日本初のフェンシングメダリスト誕生の瞬間であり、国内でも大きな話題となった。さらに、2010年の世界選手権で男子フルーレ団体が銅メダルを獲得し、2020年の東京オリンピックでも日本フェンシングの活躍に期待が高まっている。
いかがだっただろうか?フェンシングの始まりは、中世ヨーロッパまでさかのぼる。そこから長い年月をかけて、今のフェンシングの在り方が誕生した。日本フェンシングの実績はまだまだ浅いほうだが、これから新たな歴史を刻んでいくはずだ。2020年のオリンピックで、その瞬間を見られることを期待しよう。