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日本ボクシング世界王者の出身地ランキング、神奈川の井上尚弥に追い風?

2022 12/8 06:00SPAIA編集部
井上尚弥と父の真吾トレーナー,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

サッカー日本代表で神奈川出身選手が活躍

サッカー日本代表がワールドカップでドイツとスペインを破って決勝トーナメントに進出し、日本国民を寝不足にした。スポーツ界で次に日本国民の期待を背負うのが、12月13日に東京・有明アリーナで行われるプロボクシングの世界バンタム級4団体統一戦に臨む井上尚弥(29=大橋)だ。

ワールドカップでは日本代表に神奈川出身選手が多いことが話題になった。山根視来(横浜市)、板倉滉(横浜市)、遠藤航(横浜市)、伊東純也(横須賀市)、三笘薫(川崎市、生まれは大分県)、田中碧(川崎市)、久保建英(川崎市)と7人を数える最大勢力だった。

特に三苫と田中は川崎市立鷺沼小学校の1学年違いで、少年サッカークラブ「さぎぬまSC」でともにボールを追いかけた幼馴染み。スペイン戦では2人のホットラインで決勝ゴールを決め、感動を呼んだ。

神奈川から吹いた追い風を受けるのが井上尚弥。座間市出身で、幼い頃から弟・拓真とともに父・真吾現トレーナーの指導を受けた。

尚弥は神奈川県立相模原青陵高に進学し、1年時にインターハイ・国体・選抜の三冠を制覇。2011年に世界選手権に出場するなど高校7冠、75勝(48KO・RSC)6敗のアマチュア戦績を残して、横浜にある大橋ジムからプロ転向した。

弟・拓真も神奈川県立綾瀬西高時代にインターハイ優勝などの実績を残して大橋ジムからプロ転向。所属ジムの大橋秀行会長も横浜出身で、横浜高時代にインターハイで優勝した生粋のハマッ子だ。いわば「オール神奈川」とも言える陣容なのだ。

神奈川出身の世界王者は6人

これまで神奈川出身の世界王者は6人生まれている。5度目の世界挑戦でようやくタイトルをつかんだ元世界フライ級王者・花形進。大橋秀行は日本選手の世界挑戦連続失敗を「21」で止め、世界ミニマム級王者となった。

ミニマム級で大橋の後継王者となったのが横浜市出身で花形ジムに所属した星野敬太郎。横浜市出身の新井田豊は横浜光ジム所属でミニマム級王座を7度防衛した。さらに井上兄弟が世界王者となった。

出身地別に見ると、最も世界王者を輩出しているのは大阪の11人。ランキングは以下の通りとなっている(出生後間もなく転居した場合も含む)。

日本ボクシング世界王者の出身地ランキング


大阪は元世界バンタム級王者・六車卓也から井岡弘樹、その甥・井岡一翔、亀田三兄弟など多士済々。2022年11月に寺地拳四朗に敗れた京口紘人も東京のワタナベジム所属だが、中学時代に大阪帝拳ジムで辰吉丈一郎の指導を受け、大阪商業大でアマチュアキャリアを積んだ。

2位は沖縄の9人。13度防衛の日本記録を保持する具志堅用高、15連続KOの日本記録を持つ浜田剛史と比嘉大吾ら鮮烈な印象を残したハードパンチャーが多い。ただ、ほとんどが県外のジムからプロ転向しており、沖縄ジムから世界に上り詰めたのは平仲明信のみだ。

3位は東京の8人。日本初の世界王者・白井義男、2階級制覇のファイティング原田、カミソリパンチの海老原博幸、「永遠のチャンピオン」大場政夫ら名王者が並ぶ。大阪の金沢ジムから世界スーパーフライ級王者となった徳山昌守も出身は東京だ。5位には北海道、千葉、兵庫が5人で並んでいる。

井上尚弥は12月13日、WBOバンタム級王者ポール・バトラー(34=イギリス)と4団体統一戦に臨む。dTVおよび、ひかりTVで独占配信される運命の一戦で、日本初、世界でも9人目となる偉業を達成できるか。カタールで吹き荒れた「神奈川の風」が、次は東京で吹き荒れる。

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