U18日本代表の4番・石川は外れ1位?
今年のドラフト会議では、一昨年の清宮幸太郎(現日本ハム)や昨年の根尾昂(現中日)、藤原恭大(現ロッテ)、小園海斗(現広島)のような高校生野手の大本命は見当たらない。そんな中、1巡目指名を受けると予想されているのが石川昂弥(東邦高)だ。
投手と三塁手の二刀流で、春のセンバツを制覇。夏の甲子園には出場できなかったもののU-18侍ジャパンに選出され、WBSC U-18 野球ワールドカップ(以下、U18W杯)では三塁、あるいは指名打者として4番を任された。打率.333(24打数8安打)、1本塁打、9打点と、木製バットにも対応しており、右の強打者として逆方向にも強い打球を打てるのも強みだ。
ドラフト1巡目の12人に入ることは十分に可能。いわゆる「外れ1位」での指名が予想されるが、一本釣りを狙う球団が現れることも十分に考えられる。
森敬斗はU18W杯で出塁率5割
石川に次いで高評価の高校生野手が、森敬斗(桐蔭学園高)だ。センバツでは初戦敗退したものの「3番・遊撃手」で出場し、4打数3安打と結果を残している。
U18W杯では本職の遊撃手ではなく中堅手としての出場だったが、打率.320(25打数8安打)、0本塁打、1打点と、調子を崩すことなく乗り切った。また、出塁率.500はレギュラー野手の中では最も高い数字で、リードオフマンとしての資質を証明。ドラフト1巡目での指名があってもおかしくはない。
その他にも遊撃手のドラフト候補は多く、甲子園未出場組では紅林弘太郎(駿河総合高)、上野響平(京都国際高)、田部隼人(開星高)の3人が注目されている。特に身長180センチ超の紅林と田部は、大型遊撃手として期待されている。
甲子園出場組からは、U18W杯にも出場した武岡龍世(八戸学院光星高)、遠藤成(東海大相模高)、韮澤雄也(花咲徳栄高)の3人がプロ志望届を提出。U18W杯で一塁を守った韮澤はベストナインを獲得しており、対応力の高さを見せている。
器用さを求められる遊撃手はプロ入り後にコンバートされることもあるが、総じて評価は高い。
外野手では履正社・井上、常総学院・菊田ら
捕手は、ドラフト1巡目の大本命・奥川恭伸と星稜高でバッテリーを組んでいた山瀬慎之助に注目。今年の夏の甲子園では打率.556(18打数10安打)と打撃面で結果を残し、チームでは主将を務めていたため統率力もある。中位、下位での指名はありそうだ。
2018年のドラフト会議でロッテに入団した東妻勇輔(2位指名)の弟である東妻純平(智弁和歌山高)も上位候補。また、U18W杯にも出場した水上桂(明石商)や藤田健斗(中京学院大中京高)も将来性を評価されており、候補にあがっている。
外野手では、身長187センチ、体重94キロの恵まれた体格を持つスラッガー、井上広大(履正社高)の評価が高い。夏の甲子園で打率429(26打数10安打)、3本塁打、14打点と大暴れし、決勝では奥川から一発を放った。また、甲子園未出場ではあるが、菊田拡和(常総学院高)も長距離砲として評価されている。