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平成最後の首位打者柳田悠岐、引っ張りだけなら6割超え

2019 1/14 11:00SPAIA編集部
柳田悠岐,ⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

豪快スイングが生む強烈打球

プロ野球界も2018年シーズンの熱気は収まり、今シーズンに向け各チーム動き出している。平成最後のシーズンに首位打者を獲得したのは、柳田悠岐(福岡ソフトバンクホークス)だった。豪快なスイングが生む強烈な打球は、見るものを魅了する。

2018年打率ランキングベスト5

対ストレートの打率

対ストレートでは他の選手に圧倒的な差をつけ、4割以上の打率を残しており、いかにストレートに強いかが分かる。この打撃の強さは柳田の特徴だ。

緩急をつけたり軌道を意識させることで変化球を活かし投球の幅を広げるストレートは、投球の基本であり、最も多く投じられている。

この最も投げられるボールに対して4割以上の打率。これは投手にとっては脅威であり、柳田が高打率を残せた要因の一つだ。

ヒットを量産で首位打者獲得

さらにもう1つ、驚異的な特徴を示すデータがある。

引っ張りの打率、本塁打(打率5位まで)

多くの打者は引っ張った際の打率が高い傾向があるが、その中でも柳田は6割超。2番手の近藤も.570と非常に優秀だが、柳田はそれを4分も上回る。本塁打に関しても16本という数字を残しており、群を抜いた結果を出している。

しっかり前でボールを捉えなければ、強く引っ張ることはできない。それによって打球の威力やスピードが高まり、ヒットしやすくなる。こういった高度な技術をもっていることも高打率につながっているのだろう。そして、強烈なスイングでファンを沸かす柳田は、積極的に振っていくことに関しても飛び抜けた数字を残している。

ストライクゾーンスイング率

高打率を残してきた選手たちの中でも傾向はまちまちで、チームの得点源ともいえる役割の柳田には、積極的に打ちに行くことが求められた。その点を踏まえても、8割近いスイング率は驚くべき確率だ。

ストライクゾーンに来たからと言って全部が優しいボールではなく、当然ミスショットも生まれる。そのため、より打ちやすいボールを打ったほうが打率は高くなるはず。しかし、ストライクゾーンにくれば振りまくる柳田はヒットを量産し、首位打者を獲得したのだ。これはパワーだけでなく高レベルな技術も備わってなければできない。

平成最後の首位打者となった柳田悠岐。新しい元号で最初の首位打者となれるか。