二人三脚でチームの中心選手に成長
内外野のユーティリティープレイヤーとして侍ジャパンにも選出され、一躍全国に名前をとどろかせた埼玉西武の外崎修汰。そんな外崎の成長を支えているのが、現役時代ユーティリティープレイヤーとして活躍した佐藤友亮外野守備走塁コーチだ。佐藤コーチは、選手を指導するにあたり、試合前に欠かさず行っていることがある。
外野の各選手の守備位置まで実際に歩いていき、その日の風の具合、陽や照明の入り具合、またはグラウンドを見て、芝が削れていないか、土のグラウンドならゴロはイレギュラーしないかなどを事前にチェックしているのだ。
どんなときも多角的に物事をとらえ、試合後はその日起こったプレーをあらゆる角度から検証する。選手の視点で打球がどう見えていたのかは、もちろん重要だ。
「ひとつの事柄をひとつの見方だけで言うのは簡単です。だけど、その選手にどう教えたらそれを理解してくれるかという点で、コーチは引き出しを持っていないと僕はダメだと思っています。彼(外崎)には彼に合わせたレベルで話をしますし、理解が出来るような言葉を選んで話もします。僕はそれが大事かなと思っているんです」
こうした二人三脚の姿勢が、外崎修汰をライオンズの中心選手へと成長させた。佐藤コーチはさらにこう続ける。
「やるのは選手なので。僕が動けるわけじゃありません。だったら選手がどうやったら一番試合で動けるのかを考えながらやりたいんです。例えば、選手の中に決め事を作ってあげたとします。当然、それで(精神的に)楽になる選手もいると思うんです。これはこうやってやる。こういう状況だったらこうなりやすい。事前にリスク回避をすることで、試合では最善を尽くすことが出来る。少々のリスクを冒しても、行っていいところは試合で行かせる。そうしてあげないと選手の逃げ道がなくなってしまうと思うのです」
厳しい指導の中に常に選手への思いやりを忘れない。それが佐藤コーチの指導論だ。
※写真はキャンプ中の練習風景