先発投手として重要な「立ち上がり」
先発投手が注意すべき点のひとつに「立ち上がり」がある。どんな一流投手でも最初のストライク、最初のアウト、最初のイニングを投げ終えるまでペースをつかむのは難しいと言われる。立ち上がりに失点すると、試合の流れを相手チームに持っていかれるという意味でも極力抑えたい。
そこで2024年の初回防御率を調べてみた。60イニング以上の投手を対象にした初回防御率ワーストランキングは下の通りとなっている。
先発投手が注意すべき点のひとつに「立ち上がり」がある。どんな一流投手でも最初のストライク、最初のアウト、最初のイニングを投げ終えるまでペースをつかむのは難しいと言われる。立ち上がりに失点すると、試合の流れを相手チームに持っていかれるという意味でも極力抑えたい。
そこで2024年の初回防御率を調べてみた。60イニング以上の投手を対象にした初回防御率ワーストランキングは下の通りとなっている。
ワースト1位はロッテにFA移籍が決まった石川柊太(ソフトバンク)。今季は15試合に登板して7勝2敗、防御率2.56と好成績を残したが、初回に限っては防御率9.00という数字が残っている。
5月15日の楽天戦で2失点、6月16日の阪神戦で前川右京に満塁弾を浴びて4失点、9月23日のオリックス戦で2失点など初回だけで10失点。来季のホームグラウンドとなるZOZOマリンでは、今季12イニングで無失点と相性は良かったが、来季はさらに登板機会が増える。立ち上がりには細心の注意を払いたい。
2位は初回防御率8.62の涌井秀章(中日)。ただ、5月1日のDeNA戦で初回に8安打を浴びて9失点したことが大きく響いている。その試合を除けば初回に計8失点でそこまで立ち上がりが悪いわけではない。今季の勝ち星は3つのみだったものの、シーズン防御率は3.07にまとめている。
3位は初回防御率7.00のアドゥワ誠(広島)。今季は先発ローテーションの一角を担って自己最多タイの6勝を挙げ、防御率3.13をマークしたが、5月19日の巨人戦で3失点(味方が逆転して5.0回3失点で勝利投手)、9月4日のDeNA戦で5失点(6回6失点で敗戦投手)するなど立ち上がりがやや不安定だった。来季への課題と言えるだろう。
4位は小笠原慎之介(中日)で初回防御率6.75。6月12日の日本ハム戦で万波中正に3ランを浴びて4失点、9月4日の阪神戦で井上広大に2ランを浴びて6失点するなど、初回だけで19失点した。ポスティングシステムでメジャー移籍を目指しているが、アメリカで先発として活躍するには立ち上がりに注意が必要だ。
玉村昇悟(広島)も小笠原と並んで6.75で4位。今季は15試合で4勝5敗、防御率2.96の成績を残したが、6月30日の巨人戦で3失点するなど、立ち上がりの改善は来季さらに飛躍するためのカギのひとつと言えそうだ。
6位以下は中日・メヒア(6.60)、ヤクルト・高橋奎二(6.30)、ロッテ・メルセデス(6.00)、楽天・古謝樹(6.00)、巨人・グリフィン(5.85)と続いている。
逆に初回防御率のベスト5は下の通りとなっている。主に中継ぎとして起用された投手は計60イニング以上でも含まず、先発投手を対象としている。
1位は初回防御率0.53の松葉貴大(中日)。17試合登板で5勝どまりだったが、初回に失点したのは8月22日と9月13日のDeNA戦の計2失点のみだった。
2位以下は楽天・瀧中瞭太(0.75)、阪神・西勇輝(0.86)、ソフトバンク・スチュワート・ジュニア(0.90)、西武・高橋光成(1.20)と続いている。
先発投手として、試合を作ることは重要な役割だ。そのためには初回を無難に乗り切らないと状況は厳しくなる。初回防御率の悪い投手は調整法を変えるなど何らかの対策が必要かもしれない。来季以降、このランキングがどのように変わるか注目したい。
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