ドラ5石田裕太郎がデビューから無傷の4連勝
今季もニューヒーローが数多く誕生したプロ野球。西武のドラフト1位左腕・武内夏暉がパ・リーグでは7年ぶりとなるルーキーでの新人王に輝くなど、新人選手たちの活躍も光った。
そこで今年のルーキーたちが一軍でどのような活躍を見せたのか、球団ごとに通信簿を作成した。投手は「球威」「制球力」「奪三振」「総合」、野手は「パワー」「選球眼」「走力」「貢献度」のそれぞれ4項目について、5段階で評価している。
今回はセ・リーグ3位からクライマックスシリーズを勝ち上がり、26年ぶりの日本一に輝いたDeNAのルーキーたちを見ていく。
投手では、ドラフト5位・石田裕太郎が一軍戦力となった。6月9日のソフトバンク戦でプロ初登板初先発、初勝利を挙げるなどデビューから無傷の4連勝を飾ったが、後半は勝ち星を挙げることができず、12登板、4勝3敗、防御率3.97でルーキーイヤーを終えた。
投手の各項目は球威がリーグの平均球速、制球力は同BB%(対戦打者に占める与四球の割合)、奪三振は同K%(対戦打者に占める奪三振の割合)、総合は同FIP(投手の責任である被本塁打、与四死球数、奪三振数のみで投手の能力を評価した指標)から算定した。
石田はストレートの平均球速が145.2キロとリーグ平均並みで球威評価は「3」、BB%は4.6%と制球力に優れ評価は「4」となった。一方、K%は15.0%とリーグ平均(18.5%)を下回り奪三振評価は「2」、FIPは3.21でリーグ平均(3.23)並みとなり総合評価は「3」となった。来季は先発ローテの座を狙いたい。
ドラフト2位の松本凌人は4月3日の阪神戦でプロ初登板。0.2回を無失点に抑える上々のデビューを飾ったが、その後は安定感に欠ける投球で、1年目は10試合に登板して防御率5.91の成績に終わった。
度会隆輝と石上泰輝が開幕スタメン勝ち取る
野手ではドラフト1位・度会隆輝と同4位・石上泰輝、同6位・井上絢登の3人が一軍デビューを果たした。
度会はオープン戦で首位打者に輝き開幕スタメンを勝ち取ると、セ・リーグ新人初の開幕2戦連続本塁打を放つ華々しいデビューを飾った。しかし、5月に出場選手登録を抹消されるなど徐々に出場機会を失い、最終成績は75試合に出場して打率.255、3本塁打、24打点。26年ぶりの日本一に輝いたポストシーズンも出番はなかった。
石上も開幕スタメンに名を連ねたが、5月5日の広島戦を最後に一軍出場なく、26試合で打率.183、0本塁打、3打点。井上は4月12日のヤクルト戦で代打としてプロ初出場。14日の同戦でプロ初スタメンで初ヒットも記録したが、一軍には定着できず25試合の出場で打率.190、4打点の成績だった。
野手の各項目は、パワーがリーグの平均ISO(=長打率-打率:長打力を示す指標)、選球眼は同BB/K(四球と三振の割合から打者の選球眼を見る指標)、走力は同spd(走力を示す指標)、貢献度は同wRC(特定の打者が生み出した得点を示す指標)から算定している。
度会は3本塁打を記録するなど非凡なパンチ力を見せてISOは.072を記録し、パワー評価は「3」。一方、積極的な打撃スタイルもあって四球が272打席で12個と少なかったこともあり、BB/Kは0.28で選球眼評価は「2」、spdも2.5とリーグ平均(3.7)を下回り、走力評価も「2」となった。ただ、前半戦の活躍もあってwRCは23を稼ぎ、貢献度評価は「3」となった。来季は自慢の強打にさらに磨きをかけ、外野レギュラー定着を目指したい。
石上は13安打のうち二塁打が4本でISOは.056をマークし、パワー評価は「2」。spdは2.4と走塁面でも持ち味を発揮できず、走力評価も「2」となった。一方、6四球、17三振でBB/Kは0.35とリーグ平均並みの数値を記録し、選球眼評価は「3」、26試合でwRCは3.3と稼げず、貢献度評価は「1」だった。来季はショートの定位置獲得へ走攻守すべてのレベルアップを図りたい。
井上は8安打中5本が二塁打と長打力を発揮し、ISOは.119でリーグ平均を上回り、パワー評価は「4」となったが、BB/Kは0.25、spdが2.3と振るわず、選球眼、走力評価ともに「2」だった。出場数も少なかったためwRCは3.3で貢献度評価は「1」。来季は打撃の確実性を上げ、強力打線の一角に食い込みたい。
支配下指名では唯一の高校生だったドラフト3位の武田陸玖は一軍での出場はなかった。
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