2024年は33本塁打86打点で二冠王の村上
2024年セ・リーグの本塁打王は33本放ったヤクルト・村上宗隆が輝いた。2021年、22年に続いて3度目のタイトル。86打点と合わせて二冠王となった。
3年契約最終年となる2025年オフにはポスティングシステムでメジャー挑戦する予定。ヤクルトのラストイヤーは、タイトル獲得とV奪回に導く活躍が期待される。
1950年の2リーグ分立時に国鉄スワローズとして誕生してから本塁打王のタイトルを獲得した選手は村上で10人目。そのうち6人が助っ人外国人というのもヤクルトらしい特徴だ。ヤクルトの歴代本塁打王を振り返ってみたい。
町田行彦が初の本塁打王、国鉄最後は佐藤孝夫
初めて本塁打王に輝いたのが、国鉄時代の町田行彦だ。長野北高から入団4年目の1955年に31本塁打でタイトル獲得。21歳での本塁打王は、2021年に村上宗隆が並ぶまでセ・リーグの単独最年少記録だった。
西鉄の中西太と比較されるスラッガーとして通算129本塁打をマーク。巨人に移籍した1965年に引退し、引退後はヤクルトや巨人でコーチを歴任した。
宮城・白石高から仙台鉄道管理局を経て1952年に国鉄入団した佐藤孝夫は、1年目に14本塁打で新人王。1957年に22本塁打を放って国鉄最後の本塁打王に輝いた。その後、日本人打者の本塁打王は2015年の山田哲人まで58年も待つことになる。
パリッシュ、ハウエル、ホージーと助っ人が爆発
国鉄からサンケイ、ヤクルトとチーム名を変えた後もしばらく本塁打王は誕生しなかったが、ラリー・パリッシュが1989年にキングとなってからはNPBの「助っ人外国人列伝」とも言えるほどの強打者が名を連ねた。
パリッシュはメジャー通算256本塁打の実績を引っ提げて1989年に来日。「ワニを食べる男」としても話題を呼び、有り余るパワーでいきなり42本塁打を放ってタイトルを獲得した。翌1990年は阪神に移籍して8月までにリーグトップの28本塁打を放ったが、膝の古傷悪化を理由に8月27日の試合を最後に突如引退した。
球団史上4人目の本塁打王がジャック・ハウエルだ。来日1年目の1992年に38本塁打、打率.331で二冠王。1995年は巨人でプレーし、NPB通算100本塁打、272打点、打率.291の成績を残した。
ドゥエイン・ホージーも印象深い助っ人だった。1997年の来日当初は野村克也監督から酷評されていたが、松井秀喜とのタイトル争いを制して38本でホームランキング獲得。パンチ力だけでなく、走っても20盗塁をマークする活躍を見せた。
オルガ夫人との仲睦まじいペタジーニ、2000安打のラミレス
ロベルト・ペタジーニはご記憶の方も多いだろう。来日1年目の1999年、いきなり44本塁打でタイトル獲得すると、2001年には39本塁打、127打点で二冠王。友人の母だった25歳年上のオルガ夫人との仲睦まじい姿もたびたびメディアに取り上げられた。
2003年から2年間は巨人でプレーし、一度アメリカに帰国した後、韓国・LGツインズやソフトバンクでもプレー。NPB通算233本塁打をマークした。
助っ人外国人で初めてNPB通算2000安打を達成したアレックス・ラミレスはDeNAの監督も務めたが、日本でのキャリアスタートはヤクルトだった。2001年に来日し、3年目の2003年に189安打、40本塁打、124打点で3部門のタイトル獲得。2007年にも204安打、122打点で打点王と最多安打に輝いた。
2008年に移籍した巨人でも本塁打王1回、首位打者1回、最多安打1回、打点王2回獲得。DeNAを2013年に退団するまでNPB通算2017安打、380本塁打、1272打点をマークした球史に残る助っ人だった。
トリプルスリーの山田哲人、三冠王の村上宗隆
今もNPBシーズン最多本塁打記録の60本を放ったのがウラディミール・バレンティン。2011年からヤクルトでプレーし、2年続けて31本塁打でタイトルに輝き、3年目の2013年は60発で3年連続本塁打王となった。
ヤクルトには9年在籍して通算288本塁打。2020年からソフトバンクでプレーし、NPB通算では301本塁打だった。
そして、佐藤孝夫以来58年も途絶えていた日本人キングとなったのが山田哲人だ。2015年、38本塁打で本塁打王に輝いただけでなく、打率.329、34盗塁でトリプルスリーを達成。リーグ優勝に大きく貢献した。
九州学院高からドラフト1位で入団した村上宗隆は、入団4年目の2021年に39本塁打で初タイトル。2022年は打率.318、56本塁打、134打点で史上最年少の22歳で令和初の三冠王に輝いた。
2024年は先述の通り、33本塁打、86打点で二冠王。2025年は再び度肝を抜くような活躍を見せるか楽しみだ。
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