12球団ファーストストライク打率ランキング
野球で「好球必打」が重要ということは古くから言われているが、プロ野球では状況や様々な要因によって、初球のど真ん中のストレートを見送る場合もある。
実際、カウントにかかわらず「好球必打」を実践している打者は誰だろうか。2024年にセ・パ両リーグで規定打席に到達した打者のファーストストライク打率を調べてみた。TOP10は以下の通りとなっている。
野球で「好球必打」が重要ということは古くから言われているが、プロ野球では状況や様々な要因によって、初球のど真ん中のストレートを見送る場合もある。
実際、カウントにかかわらず「好球必打」を実践している打者は誰だろうか。2024年にセ・パ両リーグで規定打席に到達した打者のファーストストライク打率を調べてみた。TOP10は以下の通りとなっている。
1位は34本塁打、99打点で二冠に輝いたソフトバンクの山川穂高。ファーストストライクの打率.489と驚異的な数字を叩き出している。34本塁打のうち12本はファーストストライクを放り込んでおり、「好球必打」がタイトルにつながった好例だ。
2位はセ・リーグ首位打者に輝いたDeNAのオースティン。ファーストストライク打率は.477と高い。25本塁打中11本はファーストストライクで、やはり「好球必打」でタイトルを獲得している。
3位はファーストストライクの打率.463の楽天・辰己涼介。今季は143試合フル出場してパ・リーグ2位の打率.294をマークした。
4位は33本塁打、86打点でセ・リーグ二冠王に輝いたヤクルトの村上宗隆。シーズン打率は下から3番目の.244だが、ファーストストライクに限っては打率.460と高い。33本塁打中8本はファーストストライクを放り込んでいる。
5位はファーストストライク打率.433の中日・細川成也。143試合フル出場してセ・リーグ4位の打率.292をマークしたのは「好球必打」を実践したことが要因かもしれない。23本塁打中8本はファーストストライクだった。
6位以下はソフトバンク・近藤健介(.427)、阪神・近本光司(.414)、広島・矢野雅哉(.413)、広島・秋山翔吾(.407)、ソフトバンク・栗原陵矢(.398)と続く。どちらかと言えば長距離砲が多いのは、落ちる球などの決め球を投げられる前に、若いカウントから積極的に振りにいくからだろう。
ちなみにファーストストライク打率ワースト3は西武・外崎修汰(.224)、ロッテ・佐藤都志也(.254)、阪神・大山悠輔(.261)となっている。
ファーストストライク打率が高いということは積極的な打撃と言い換えてもいいが、とはいえ何でもかんでも振りにいくわけではない。初球スイング率と比較してみるとよく分かる。2024年の規定打席到達者の初球スイング率ランキングは下の通りだ。
ファーストストライク打率とはガラリと面々が変わっている。1位のオリックス・森友哉(41.4%)、2位の広島・小園海斗(40.3%)、3位の阪神・佐藤輝明(39.6%)はファーストストライク打率ではそれぞれ39位(.292)、25位(.328)、24位(.329)となっている。
「好球必打」ではなく、初球を「決め打ち」しているのかもしれない。両方ともTOP10に入っているのは、4位の山川穂高(38.3%)、8位の栗原陵矢(34.1%)、9位の細川成也(34.1%)の3人のみ。山川と細川は初球のコンタクト率が60%台と低いことから「決め打ち」している可能性もあるが、その他の打者はボールならきっちり見送っているのだ。
実際、ファーストストライク打率2位のオースティンは、初球スイング率38位(17.5%)。3位の辰己涼介は初球スイング率27位(21.9%)、7位の近本光司は初球スイング率41位(16.8%)にすぎない。
積極的とはいっても、あくまで「好球必打」に徹している選手が好成績を残していることがよく分かる。ファーストストライク打率の高い選手にタイトルホルダーが多いのは決して偶然ではないだろう。
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