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根尾昂に4球団競合した2018年ドラフトの答え合わせ、外れ1位の成績は?

2023 11/13 06:00SPAIA編集部
阪神の近本光司・ヤクルトの清水昇・ソフトバンクの甲斐野央,ⒸSPAIA
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大阪桐蔭・根尾昂に4球団競合

2018年ドラフトの最大の目玉は甲子園春夏連覇を果たした大阪桐蔭高の根尾昂だった。打ってよし、投げてよしのスター候補で学業も優秀だったため愛読書が売れるほど社会現象になった。

さらにチームメイトの藤原恭大、報徳学園高の小園海斗、地方大会から甲子園決勝まで一人で投げたものの準優勝に終わり、悲劇のヒーローとなった金足農高の右腕・吉田輝星ら高校生に注目選手が多かった。

蓋を開けると、根尾には4球団競合。藤原と小園は3球団競合だった。

2018年ドラフト1巡目指名選手の通算成績


各球団の1巡目指名選手とプロ入り後の成績を振り返る。

3球団競合の藤原恭大はロッテ、阪神の外れ外れ1位・近本光司は実績ナンバーワン

楽天は藤原恭大を抽選で外したが、外れ1位で立命館大・辰己涼介を引き当てた。俊足強打の外野手として1年目から124試合に出場し、13盗塁をマーク。5年連続100試合以上に出場しており、通算611試合で437安打、42本塁打、55盗塁、打率.245を記録している。高卒と大卒の違いはあるとはいえ、抽選で外した藤原以上の活躍だ。

阪神は藤原恭大、辰己涼介を抽選で外し、大阪ガス・近本光司を指名した。1年目から142試合に出場して36盗塁でタイトルを獲得するなど走攻守で貢献。3年目の2021年には178安打で最多安打に輝き、5年間で4度の盗塁王を獲得するなど通算663試合で773安打、39本塁打、149盗塁、打率.291をマークしている。外れ外れ1位だが、5年間の実績では同期でナンバーワンだろう。

ロッテは3球団競合の藤原恭大を引き当てた。高卒ルーキーながら1年目に開幕スタメンに抜擢され、その後伸び悩んだ時期もあったが、2023年は103試合に出場。通算では262試合で176安打、12本塁打、25盗塁、打率.227の成績を残している。まだまだ成長が期待できる素材だ。

4球団競合の根尾昂を引き当てたのは中日だった。しかし、野手としては3年目の2021年にプロ初本塁打を放ったものの、72試合に出場して打率.178。その後、立浪和義監督の判断で投手に転向し、2022年は25試合、2023年は2試合に登板したが、いまだ白星は挙げられていない。プロ入り前の期待度から言えば、物足りないと言わざるを得ないのが実情。今後の成長を待つしかなさそうだ。

DeNAは東洋大・上茶谷大河、日本ハムは金足農高・吉田輝星を指名

オリックスは報徳学園高・小園海斗を抽選で外し、天理高の強打者・太田椋を獲得した。素質の片鱗を見せてはいるもののレギュラー奪取には至っていない。5年間で通算129試合、73安打、9本塁打、打率.197にとどまっている。チーム内の競争は激しいが、まだまだ伸びしろに期待だ。

DeNAは小園海斗を外して東洋大の右腕・上茶谷大河を指名。ルーキーイヤーに7勝を挙げるなど、通算103試合で18勝21敗4ホールド、防御率4.10をマークしている。

日本ハムは根尾昂を外して金足農高・吉田輝星を指名した。1年目にプロ初勝利を挙げ、2022年には51試合登板で2勝5ホールドをマーク。通算64試合で3勝9敗5ホールドはやや物足りない成績だが、スター性もあり今後の成長が期待される一人だ。

巨人は根尾昂、辰己涼介を抽選で外し、八戸学院大の左腕・髙橋優貴を獲得した。2021年に11勝を挙げるなど通算69試合で18勝25敗、防御率3.66の成績を残しているが、2022年9月に左肘の手術を受けたこともあり、2023年は未勝利に終わった。

ソフトバンクは東洋大・甲斐野央、ヤクルトは国学院大・清水昇

ソフトバンクは小園海斗、辰己涼介を抽選で外し、東洋大の甲斐野央を獲得した。1年目から65試合に登板して2勝5敗8セーブ26ホールドとフル回転。2020年オフに右肘手術を受けてブランクを作ったが、2023年は46試合に登板して防御率2.53をマークした。通算では160試合で7勝8敗11セーブ41ホールドを挙げている。

ヤクルトは根尾昂、上茶谷大河を外し、国学院大・清水昇を指名した。2021年に72試合、3勝6敗1セーブ50ホールドをマークするなど、プロ2年目から4年連続50試合以上に登板。通算241試合で9勝25敗1セーブ146ホールドの成績を残しており、中継ぎエースとして欠かせない存在となっている。

西武は日本体育大の右腕・松本航を一本釣り。3年目の2021年に10勝を挙げるなど5年間通算105試合で36勝33敗、防御率3.80の成績を残している。

広島は3球団競合の報徳学園高・小園海斗を引き当てた。2021年に113試合出場して打率.298をマークするなど走攻守で活躍し、通算381試合で383安打、22本塁打、15盗塁、打率.272をマーク。今後も息の長い活躍が期待される。

2巡目以下では亜細亜大・頓宮裕真がオリックス2位、新日鉄住金鹿島・大貫晋一がDeNA3位、Honda・木浪聖也が阪神3位、早稲田大・小島和哉がロッテ3位、大阪桐蔭高・横川凱が巨人4位、横浜高・万波中正が日本ハム4位、聖心ウルスラ高・戸郷翔征が巨人6位、BCリーグ富山・湯浅京己が阪神6位で入団している。

※成績は2023年終了時点

※戸郷翔征選手の指名順位を6位と表記すべきところを4位と表記しておりました。お詫びして訂正いたします。11月14日17時55分

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