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根尾昂、藤原恭大、横川凱、柿木蓮…大阪桐蔭「最強世代」の現在地

2023 11/8 11:00SPAIA編集部
中日の根尾昂とロッテの藤原恭大と巨人の横川凱,ⒸSPAIA
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投手転向した中日・根尾昂

高校野球は年々レベルが上がっているが、中でも近年で最も強かったチームのひとつが2018年の大阪桐蔭ではないだろうか。史上初となる2度目の春夏連覇を達成した当時の3年生は「最強世代」と呼ばれ、根尾昂、藤原恭大、柿木蓮、横川凱の4人がプロ入りした。

あれから5年。高校時代の輝きに比べると、少しずつ成長の跡を見せているとはいえ、4選手ともプロでは苦しんでいると言えるかも知れない。

良くも悪くも話題になるのが中日・根尾昂だ。内野手としてプロ入りしたものの芽が出ず、立浪和義監督の方針で投手に転向。2022年6月21日には外野手から投手登録に変更された。

それまで投手として練習を積んでいなかったにもかかわらず150キロを超えるストレートを投げ込み、同年7月1日の阪神戦で初ホールドをマークするなど、ポテンシャルの高さを証明。しかし、2023年は一軍で2試合に登板しただけで、いまだ未勝利だ。過去5年間の通算成績と2023年の投手成績は下の通りとなっている。

中日・根尾昂の成績


2018年ドラフトでは3球団競合した藤原を上回る4球団競合。両親が医師で、根尾は学業も優秀だったことから愛読書が売れるなど、プロ入り前は話題を独り占めしていた。

しかし、中日入団後は1月の合同自主トレで右ふくらはぎの肉離れを起こし、ウエスタン・リーグ開幕後の4月にはプレー中のケガで戦線離脱するなど苦難続き。ファームで108試合に出場して打率.210、2本塁打に終わり、なんと127三振を喫した。

1年目は一軍で2試合、2年目は9試合出場にとどまり、3年目の2021年5月4日にようやくプロ初本塁打となる満塁弾を放ったが、結局72試合に出場して打率.178とブレイクには至らなかった。

プロ入り当初からショートや外野で起用され、ついには投手転向。「何でもできる」ことが、逆に器用貧乏と言われかねない現状につながっている。

とはいえ、豊かな才能は誰もが認めるところで、球団としても大切な生え抜きのスター候補だ。6年目となる2024年は投手として結果を残したい。

自己最多103試合に出場したロッテ藤原恭大

4人の中で最もデビューが早かったのはロッテの藤原恭大だ。高卒1年目から「1番・センター」で開幕スタメンに抜擢され、第4打席で初安打を記録する華々しいプロデビューを飾った。

2023年は自己最多の103試合に出場。今後の飛躍のきっかけとなり得るシーズンだった。

ロッテ・藤原恭大の成績


1年目は4月7日に二軍落ちし、以降はファーム暮らし。再び一軍に呼ばれることはなく、結局6試合に出場したのみだった。2年目は26試合出場、3年目は78試合に出場と徐々に出番を増やしたが、レギュラー奪取には至らなかった。

高い身体能力と走攻守3拍子揃った野球センスの持ち主。2021年7・8月には打率.348、5本塁打、15打点をマークして月間MVPに輝くなど能力は証明済みだ。2023年は規定打席には達しなかったものの100試合以上に出場したことは自信になるだろう。確固とした首脳陣の信頼を勝ち取り、2024年はフル出場を目指したい。

プロ初勝利含む4勝を挙げた巨人・横川凱

大阪桐蔭からプロ入りした4人のうち2人は投手。先に一軍初勝利を挙げたのはエースだった柿木蓮ではなく、控え左腕の横川凱だった。

2023年は20試合に登板して4勝をマーク。身長190センチの「タワーマン」が存在感を示した。

巨人・横川凱の成績


ドラフト4位で巨人に入団すると、1年目は三軍でトレーニングを積み、イースタンで4試合に登板。2年目の2020年11月に初の一軍昇格を果たし、2試合で5.2イニングを投げて被安打4、失点1だった。

3年目の2021年オフに育成契約となり、2022年4月に支配下登録に復帰したが、同年オフに再び育成契約。しかし、2023年3月に支配下復帰すると4月23日のヤクルト戦で初勝利を挙げた。

長身から投げ下ろすストレートとカットボール、フォーク、スライダー、カーブなど変化球を駆使した投球で、先発左腕として一定の結果を残したのは大きい。このまま順調に成長曲線を描けば、今後さらに出番は増えそうだ。

いまだ未勝利の元エース柿木蓮

日本ハムにドラフト5位で入団した柿木蓮は、2022年にようやく初の一軍昇格を果たし、4試合に登板した。しかし、育成契約となった2023年は一軍昇格できず、二軍で33試合に登板、4勝1敗、防御率2.21だった。

日本ハム・柿木蓮の成績


ルーキーイヤーはイースタンで26試合に登板し、2勝4敗、防御率8.24。2021年もイースタンで30試合に登板して1勝2敗、防御率6.34と苦しむ日々が続いた。2022年は一軍でロッテ藤原とも対戦するなど4試合に登板。貴重な経験を積んだ。2023年は育成契約だったためオフに自由契約公示されている。

高校卒業後に立教大へ進んだ山田健太は2022年のドラフト候補に挙がっていたが、指名されず日本生命に入社。社会人経由で今後プロ入りする可能性もあるが、2018年に日本中を沸かせた「最強世代」は騒がれたほどはプロで活躍できていないと言える。高いポテンシャルは花開くか。各選手の大いなる飛躍が期待される。

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