オープン戦のアピールでつかんだ守護神の座
ヤクルトの田口麗斗投手(27)が新クローザーとして奮闘している。4月1日の広島戦(神宮)の9回に登板して菊池涼介、上本崇司、秋山翔吾を三者凡退に打ち取って今季初セーブを挙げると、翌2日も9回から登板し、上本崇司に安打を許したものの2三振を奪って2セーブ目を挙げた。
昨季38セーブを挙げたスコット・マクガフが退団し、守護神は新助っ人のキーオン・ケラかと見られていたが、田口はオープン戦8試合で1勝2セーブ、防御率0.00とアピールに成功。見事に新クローザーの座をつかみ、開幕カードで結果を残した。
広島新庄高からプロ入りして10年目。ドラフト3位で入団した巨人から廣岡大志との交換トレードでヤクルトに移籍したのが2021年3月だった。
巨人時代の2016年から2年連続2桁勝利を挙げたが、2019年に中継ぎ転向。ヤクルト移籍後は先発、リリーフの両方を務めて2021年の優勝に貢献し、2022年は全てリリーフで45試合に登板していた。
クローザー向きの高い奪三振率と強気な性格
身長171センチとプロにしては小柄で、ゆったりしたフォームからキレのいいストレートとスライダー、チェンジアップ、カーブ、フォークなど変化球を駆使する。
投球スタイルからはイメージしにくいが、実は奪三振率も高い。2022年は36投球回で31三振を奪い、奪三振率7.75。巨人時代の2019年には65.1投球回で66三振を奪い、奪三振率9.92を記録したこともある。
クローザーはピンチで三振を奪う能力が求められるため、田口は必要な資質を備えていると言える。強気な性格もクローザー向きだろう。
高津監督への年賀状に「守護神を狙います」
自身のYouTubeチャンネル「田口麗斗の語り部屋」では高津臣吾監督と対談し、監督への年賀状に「守護神を狙います」としたためたことを明かしている。
日米通算313セーブをマークした高津監督は、打たれた時にしかニュースにならないクローザーの苦労を吐露。「同点打を打った人、勝ち投手になった人、バントを決めた人とかいろんな人の生活を握ってる」とその重責を明かしている。
田口は今季のチームの目標として「日本一」、個人の目標として「60試合登板」と言い切った。勝った試合では、神宮の一塁側スタンド前で勝利のパフォーマンスを披露してファンとともに盛り上がる。明るく人懐っこい笑顔が今季は何回見られるだろうか。田口が1年間通してクローザーとして活躍できれば、チームもリーグ3連覇に大きく近付いていることは間違いない。
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