首位浮上の楽天は西川遥輝が2週連続12球団一の貢献度
先週のパ・リーグは、ロッテ・佐々木朗希が前回登板の完全試合に続き、17日の日本ハム戦(ZOZOマリン)でも8回まで1人のランナーも許さない完全投球を披露。9回のマウンドには上がらなかったため、2試合連続完全試合とはならなかったが、手がつけられない状態になっている。最初に佐々木朗希を打ち崩すチームはどこになるのだろうか。
ここからは先週のパ・リーグ野手たちの活躍を見ていきたい。SPAIAでは4月12日から4月17日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
楽天が首位・ソフトバンクとの2連戦に連勝し、奪首に成功した。中でも大活躍だったのが西川遥輝。16日の北九州での一戦では、1点を追う九回にソフトバンクの守護神・森唯斗から逆転の2号2ランホームランを放ち、勝負を決めた。
翌日、鹿児島に舞台を移すと、初回に先頭打者本塁打を放つなど5打数4安打、三塁打が出ればサイクルヒット達成となる大爆れ。首位浮上の立役者となった。wRAA も4.0を記録し、2週連続で12球団一の貢献度を見せた。
中村晃、髙部瑛斗、紅林弘太郎がチームトップ
先週1勝3敗で2位に転落したソフトバンクでは、中村晃がwRAA2.6でトップ。週間の打率が.385(13打数5安打)で、4試合中3試合で打点も挙げていた。栗原陵矢と柳田悠岐が不在の中、中軸として打線を牽引している。
4試合中2試合で零封と貧打に泣いたロッテは、先週1勝3敗と負け越し。今季トータルで8勝9敗となり、借金生活に陥った。打線に元気がない中、今季トップバッターを務める髙部瑛斗がwRAA0.9でトップ。3試合で安打を記録し、うち2試合でマルチ安打と気を吐いた。
チーム打率.194と打線が沈黙気味のオリックス。そんな中、紅林弘太郎の調子が上向きつつある。先週行われた全3試合で安打を放った。15日の西武戦では先制となる適時三塁打を放つなどマルチ安打を記録。wRAAも1.8をマークした。
西武・オグレディが大当たり
西武では、新外国人オグレディが大活躍を見せた。森友哉、山川穂高と2人の主軸を欠き、3番での起用が増える中、3試合でマルチ安打を記録するなど、18打数7安打、打率.389、1本塁打、5打点をマーク。wRAAもチーム一の3.8を記録し、ここまでは助っ人として十分な働きを見せている。
日本ハムでは石井一成がwRAA3.9でチームトップ。13日の西武戦で2安打1本塁打3打点、16日のロッテ戦でも2安打3打点を記録した。得点圏では、打率.417、8打点と勝負強さを見せており、チームの主軸に成長しつつある。シーズン通して活躍できるか注目だ。
ここまで各球団のチーム打率を見ると、楽天の.241がトップと、どのチームも打線が今一つの状態が続いている。投高打低の中、一早く打線が本領を発揮したチームが一気に抜け出す可能性もありそうだ。
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