64年ぶり日本記録更新の13者連続奪三振
ロッテの佐々木朗希投手（20）が4月10日のオリックス戦で完全試合を達成した。28年ぶりの偉業とともに話題になったのが奪三振記録。13者連続奪三振は64年ぶりの日本記録更新、19奪三振も日本タイ記録だった。
連続打者奪三振の従来の記録は梶本隆夫（阪急）と土橋正幸（東映）がマークした9者連続三振だった。
梶本は1957年7月23日の南海戦、土橋は1958年5月31日の西鉄戦で9人続けて三振を奪った。いずれにしても昭和30年代前半の記録。それに続く8者連続三振を記録した4人のうち、鈴木隆（大洋）は1960年、尾崎行雄（東映）は1962年と2人は昭和30年代だ。
潮崎哲也（西武）は1990年7月5日のオリックス戦、西口文也（西武）は1996年9月23日の近鉄戦と平成初期。21世紀に入ってからは7者連続が最高だったことを考えると、佐々木の記録がいかに驚異的かよく分かる。
オールスターでは、江夏豊（阪神）が1971年第1戦でマークした9連続が最多。メジャーでも1970年のトム・シーバー（メッツ）らが記録している10連続が最多となっている。今後、13者連続奪三振が更新されることはあるのだろうか。更新するとしたら佐々木本人以外いないかも知れない。
27年ぶり日本記録に並ぶ1試合19奪三振
1試合（9イニング）の最多奪三振は野田浩司（オリックス）が1995年4月21日のロッテ戦で記録した19。佐々木は27年ぶりに日本記録に並んだ。
3位は田中将大（楽天）が2011年8月27日のソフトバンク戦でマークした18奪三振。さらに足立光宏（阪急）が1962年5月24日の南海戦、、野茂英雄（近鉄）が1990年4月29日のオリックス戦、野田浩司（オリックス）が1994年8月12日の近鉄戦でマークした17奪三振が4位タイとなっている。
7位タイの16奪三振は日本ハム時代の大谷翔平らが名を連ねており、金田正一（巨人）、江夏豊（阪神）、外木場義郎（広島）らが持つセ・リーグ記録でもある。
メジャーリーグ記録はロジャー・クレメンスらの20奪三振。高校野球の甲子園大会では桐光学園の松井裕樹（現楽天）が記録した22奪三振が最多となっている。
シーズン最多は江夏の401奪三振、佐々木は300奪三振超えるペース
1シーズンでは江夏豊（阪神）が1968年にマークした401奪三振が最多。稲尾和久（西鉄）、金田正一（国鉄）らそうそうたる名前が並ぶベスト10は以下の通りだ。
歴代10傑の最も新しい記録でも1970年に江夏豊（阪神）がマークした340奪三振。いずれも登板数が多かった時代の記録で、さすがの佐々木も401奪三振を塗り替えるのは不可能に近いだろう。
ただ、4月10日の登板を終えた段階で、佐々木は今季3試合に登板して23イニングで42奪三振。K/9（奪三振率）は16.43と驚異的な数字で、1968年江夏の10.97を大幅に上回っている。
仮に佐々木が1年間ローテーションを守って26試合に登板し、現在のペースで三振を奪い続ければ、単純計算で364奪三振となり、史上2位に躍り出る。あくまで机上の計算に過ぎないが、佐々木ならとんでもない記録を打ち立てるのではないかという期待も膨らむ。
現役最多は日本ハム時代のダルビッシュ有が2011年にマークした276奪三振。ロッテの井口資仁監督は佐々木に休養期間を設ける意向を示しているため流動的ではあるが、1970年の江夏以来52年ぶりの300奪三振数なるか、シーズン終盤を楽しみに待とう。
また、佐々木は今季初登板の楽天戦初回から23イニング連続奪三振を継続している。連続イニング奪三振記録はデニス・サファテ（ソフトバンク）が持つ43イニング。先発投手に限れば、2020年山本由伸（オリックス）の25イニングが最長で、こちらの更新も期待される。
さらに連続2桁奪三振は則本昂大（楽天）が持つ8試合連続が日本記録。佐々木はここまで3試合で10、13、19と尻上がりに奪三振数を増やしており、連続2桁奪三振記録も塗り替える可能性がある。20歳右腕の底知れないポテンシャルを考えると、今後何が起きても驚けない。
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