大勢で開幕ダッシュの巨人とケラー炎上の阪神
プロ野球は新型コロナの影響で中止された試合もあるものの、各球団とも全てのチームと対戦を終えた。開幕ダッシュに成功したチーム、逆に出遅れたチームを比較すると、クローザーが固定されているか否かが大きくチーム成績に影響している。セ・リーグのクローザー成績が下の表だ。
クローザーを比較すると、好対照なのが巨人と阪神だ。巨人は関西国際大からドラフト1位で入団したルーキー大勢が開幕の中日戦で最後を締めると、プロ野球記録を更新する初登板から7連続セーブ。ここまで1勝9セーブ、防御率2.70の好成績で、チームの開幕ダッシュに貢献している。
逆に阪神は昨季42セーブで2年連続最多セーブに輝いたロベルト・スアレスが退団。新守護神候補として獲得したカイル・ケラーが新型コロナの影響で来日が3月にずれ込み、オープン戦2試合、二軍戦1試合にテスト登板しただけで開幕戦の9回に登板したが、山田哲人に同点ソロ、ドミンゴ・サンタナに勝ち越し2ランを浴びて1点リードを守れなかった。
さらに29日の広島戦でもリードを守り切れず二軍落ち。チームの開幕9連敗の大きな要因となった。その後、当初はセットアッパーだった岩崎優がクローザーに落ち着き、15、16日の巨人戦で連続セーブを挙げて今季初の連勝に貢献。ようやくチームとして戦闘態勢が整ったと言えるだろう。
出だし好調の広島も昨年の新人王・栗林良吏の存在は大きい。4月2日の中日戦で逆転サヨナラを喫して黒星がついたが、その後は安定した投球で5セーブを挙げている。
キューバ出身の中日ライデル・マルティネスもここまで4セーブ。昨季まで2年連続20セーブ以上を挙げている剛腕は頼もしい存在だ。
昨年日本一のヤクルトはスコット・マクガフが健在。自身が登板する展開が少なく、まだ6試合登板だが、無失点を継続している。
DeNAは通算172セーブの山﨑康晃が幸先よく2セーブを挙げたが、新型コロナウイルス陽性判定を受けて4月10日に抹消。昨季23セーブの三嶋一輝もいるものの、チームの浮上に山﨑は欠かせないだろう。