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プロ野球12球団クローザー成績比較、序盤戦を左右した守護神の安定感

2022 4/18 06:00SPAIA編集部
阪神	の岩崎優・ソフトバンクの森唯斗・オリックスの平野佳寿,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

大勢で開幕ダッシュの巨人とケラー炎上の阪神

プロ野球は新型コロナの影響で中止された試合もあるものの、各球団とも全てのチームと対戦を終えた。開幕ダッシュに成功したチーム、逆に出遅れたチームを比較すると、クローザーが固定されているか否かが大きくチーム成績に影響している。セ・リーグのクローザー成績が下の表だ。

2022年セ・リーグ各球団のクローザー成績


クローザーを比較すると、好対照なのが巨人と阪神だ。巨人は関西国際大からドラフト1位で入団したルーキー大勢が開幕の中日戦で最後を締めると、プロ野球記録を更新する初登板から7連続セーブ。ここまで1勝9セーブ、防御率2.70の好成績で、チームの開幕ダッシュに貢献している。

逆に阪神は昨季42セーブで2年連続最多セーブに輝いたロベルト・スアレスが退団。新守護神候補として獲得したカイル・ケラーが新型コロナの影響で来日が3月にずれ込み、オープン戦2試合、二軍戦1試合にテスト登板しただけで開幕戦の9回に登板したが、山田哲人に同点ソロ、ドミンゴ・サンタナに勝ち越し2ランを浴びて1点リードを守れなかった。

さらに29日の広島戦でもリードを守り切れず二軍落ち。チームの開幕9連敗の大きな要因となった。その後、当初はセットアッパーだった岩崎優がクローザーに落ち着き、15、16日の巨人戦で連続セーブを挙げて今季初の連勝に貢献。ようやくチームとして戦闘態勢が整ったと言えるだろう。

出だし好調の広島も昨年の新人王・栗林良吏の存在は大きい。4月2日の中日戦で逆転サヨナラを喫して黒星がついたが、その後は安定した投球で5セーブを挙げている。

キューバ出身の中日ライデル・マルティネスもここまで4セーブ。昨季まで2年連続20セーブ以上を挙げている剛腕は頼もしい存在だ。

昨年日本一のヤクルトはスコット・マクガフが健在。自身が登板する展開が少なく、まだ6試合登板だが、無失点を継続している。

DeNAは通算172セーブの山﨑康晃が幸先よく2セーブを挙げたが、新型コロナウイルス陽性判定を受けて4月10日に抹消。昨季23セーブの三嶋一輝もいるものの、チームの浮上に山﨑は欠かせないだろう。

ソフトバンク森唯斗は二軍落ち

一方、パ・リーグ各球団クローザーの成績が下の表だ。

2022年パ・リーグ各球団のクローザー成績


開幕8連勝を飾ったソフトバンクだが、絶対守護神の森唯斗が17日に登録抹消された。4月6日のオリックス戦で救援失敗して初黒星を喫すると、12日のロッテ戦、16日の楽天戦でも救援に失敗。4月5日に6セーブ目を挙げてから、早くも3敗を喫し、二軍再調整となった。代役はリバン・モイネロと見られる。

首位に躍り出た楽天は松井裕樹が君臨。10日の日本ハム戦で近藤健介にサヨナラ打を浴びた以外は失点もなく、1勝4セーブを挙げている。

ロッテは昨季38セーブでタイトルを獲得した益田直也が安定。通算160セーブの実績を誇るクローザーの存在は佐々木朗希ら若い先発投手にとっても心強いに違いない。

オリックスもベテラン平野佳寿が健在だ。メジャーから復帰して2年目の38歳には修羅場を乗り越えてきた経験がある。今季も落差の大きいフォークで窮地を救ってくれそうだ。

西武も実績のある増田達至が3セーブを挙げている。2020年に33セーブでタイトルに輝いた右腕がシーズンを通して活躍すれば、まだまだ浮上のチャンスはあるだろう。

日本ハムは開幕投手に抜擢されたルーキー北山亘基がクローザーに落ち着きそうだ。京都産業大からドラフト8位で入団した右腕はキレのいいストレートを武器に、4月12日の西武戦で初セーブ。ここまで無失点を続けている。

今季は延長12回制ということもあり、リリーフ陣の安定はチーム成績に大きく影響する。クローザーの出来を今後も注視していきたい。

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