主力でケガ人が出るも続く快進撃
4月10日試合終了時点で10勝2敗1分けと首位に立つソフトバンク。開幕早々に主力の栗原陵矢が十字靱帯断裂の大ケガで戦線を離脱し、その後には大黒柱の主将・柳田悠岐も肩の故障で離脱。早くも厳しい状況になるのかと思いきや、チームは失速するどころかますます快進撃を続けている。
チーム打率はリーグ2位の.227で、チーム防御率もリーグ2位の1.93。投打で好調なプレーヤーが多く、2年ぶりのリーグ優勝に向けて最高のスタートを切った。なぜ、ソフトバンクがここまで好成績を残しているのか。その理由を考察する。
新戦力も加わり、盤石のリリーフ陣
まずはクローザーの森唯斗の復調が大きい。今季は8試合に登板し、既にリーグトップの6セーブを挙げている。直球の球速も元来の140km台後半をマークすることも増え、かつての安定感が戻ってきた。
絶対的セットアッパーのリバン・モイネロや主に左のワンポイントでリリーフ陣を支える嘉弥真新也も健在な上、中日からフリーエージェント(FA)で移籍してきた又吉克樹の存在も大きい。ここまで7試合に登板して3ホールド1セーブを挙げ、被打率.167、防御率0.00と完ぺきな投球を続けている。
育成選手として契約し、今年の3月に支配下登録された藤井皓哉もセットアッパーの一角として安定感抜群の投球を見せている。5試合に登板して防御率1.59、被打率.105は首脳陣の期待に十分に応えていると言える。力のある直球と落差の大きいフォークが武器で奪三振率も12.71と高い。走者のいる状況で奪三振能力が優れた投手がいることは心強い。
昨季は45試合に登板し、防御率2.18をマークした津森宥紀の存在も大きい。サイドスローから繰り出す150km超えの直球は威力抜群で、被打率.118、防御率0.00とブルペンに欠かせない存在になっている。
新リードオフマンが台頭
忘れてはならないのが、開幕からトップバッターを務める三森大貴だ。ここまでリーグ2位の打率.366、リーグトップの出塁率.458をマーク。盗塁は1個にとどまっているが、得点圏打率はリーグ3位の.412、打点はリーグトップタイの9打点と、チャンスメイカーとしてだけでなく、ポイントゲッターとしても存在感を発揮している。
プロ入りしてから本塁打がなかったが、今季はプロ入り初本塁打を含む2本の本塁打を既に放っており、長打率もリーグトップの.585、OPS(出塁率+長打率)はリーグダントツの1.044。リードオフマンとして余りある活躍をしており、ソフトバンクが開幕ダッシュに成功している最大のキーマンと言っても過言ではない。
近年、ソフトバンクは一番打者を固定できていなかったが、三森がしっかりとその役割を果たすことで打線がつながるようになり、得点力が増している。これまでは昨季の86試合出場が最多で規定打席に到達した経験はないが、シーズンを通じて三森がある程度の活躍を見せることができれば、ソフトバンクのリーグ優勝を手繰り寄せるためのポイントになりそうだ。
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