ヤクルト高梨裕稔から「プロ1号」
楽天のドラフト2位ルーキー安田悠馬捕手(22)が注目を集めている。8日のオープン戦・ヤクルト戦(静岡)でヤクルト高梨裕稔から「プロ1号」となる右越え3ラン。オープン戦10試合で打率.308、8打点をマークして存在感を発揮している(3月15日現在)。
魅力は迷いのないフルスイングだ。兵庫県神戸市出身の安田は須磨翔風高時代は通算5本塁打だったが、左打ちで風貌が松井秀喜に似ており、須磨翔風高が青いピストライプのユニフォームだったことから、ついたニックネームは「青ゴジラ」。
愛知大進学後に素質が花開き、風貌だけでなく、元祖ゴジラを彷彿とさせるパワフルな打撃で大学通算32本塁打をマークした。
ドラフト2位で入団した楽天では背番号55。球団からもゴジラを継承するようなスラッガーへの成長が期待されており、「東北のゴジラ」とも呼ばれている。
炭谷銀仁朗獲得も固定できない正捕手
捕手は長らく楽天のアキレス腱だった。昨季途中に巨人から金銭トレードで炭谷銀仁朗を獲得したのが何よりの証明だ。
2021年は大卒3年目だった太田光が107試合、炭谷が51試合(楽天移籍後)、大卒7年目だった田中貴也が31試合、下妻貴寛が16試合、足立祐一が10試合と捕手を固定できていない。太田が成長の跡を示したとはいえ、打率.188、4本塁打と打撃面ではまだまだ物足りないのが現状。打てる捕手は喉から手が出るほど欲しい存在だったのだ。
先発投手陣は田中将大、岸孝之、則本昂大、涌井秀章、早川隆久と12球団でも屈指の豪華メンバーを誇る。本来なら正捕手がどっかりと座り、豪華投手陣をリードできれば文句はないが、そう思い通りにいかないのが野球の難しいところ。その候補として、安田は大きな期待をかけられているのだ。
捕手でベストナイン受賞は嶋基宏のみ
昨季は島内宏明が打点王に輝いたものの、浅村栄斗は18本塁打にとどまるなど、打線の迫力不足は否めなかった。
昨秋ドラフトでは2位の安田だけでなく、1位で高校通算56本塁打の吉野創士(昌平高)、3位で高校通算31本塁打の前田銀治(三島南高)を指名したことからも、球団が打線の破壊力アップを図っているのは明らか。安田が「打てる捕手」として大成すれば、一気に二つの課題が解決するのだ。
楽天の捕手でベストナイン、ゴールデングラブを受賞したのは2010年と2013年の嶋基宏のみ。開幕スタメンの可能性もある安田はまだまだ粗削りではあるが、縮こまることなく大きく育ってほしいものだ。
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