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絶好調の巨人・中田翔、岡本和真と「令和のON砲」形成へのカギ

2022 3/11 11:00浜田哲男
巨人の中田翔,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

今季こそ主軸としての働きを

昨季、日本ハムから巨人に無償トレードで移籍した中田翔。巨人移籍後に奮起が期待されたが、結果は34試合に出場し、打率.154、3本塁打、7打点、出塁率.274と振るわなかった。

環境の変化や対戦する投手の違いなどさまざまな要因が重なったと思われるが、それでも一昨年のパ・リーグの打点王。肉体改造で体重を増やして臨む今季は、主軸としての活躍が期待される。

攻守で軽快な動き

ここまでの中田は好調を維持。8日に行われたソフトバンクとのオープン戦ではチャンスで適時打を放ち、8試合連続安打をマークした。

4番の岡本和真が今季も引き続き期待できるだけに、その後ろを打つと予想される中田が計算できればチーム得点力も向上する。中島宏之やゼラス・ウィーラーが本調子でない現状、中田がいい状態をキープできれば開幕スタメンの可能性は高い。

3月2日の西武戦では松本航から力みのないスイングで逆方向へ本塁打を放ったほか、凡打の打席でも比較的強い打球が多く状態の良さがうかがえる。定評のある一塁守備でもヒット性の当たりをダイビングキャッチするなど攻守で軽快な動きを見せている。

内角の見極めとさばきがカギ

昨季の打球方向データを見ると、右翼への打球の割合が10%と最も低く、次に低いのが右中間の14%。最も多いのが左中間の31%だった。

かつては広大でフェンスの高い札幌ドームを本拠地としていたが、今は狭い東京ドームが本拠地。右方向への意識、打球が多くなれば、前述したような右翼への本塁打も増えるはずだ。今季は昨季低かった右方向の打球がどれだけ増えていくかにも注目したい。

また、昨季のゾーン別データを見ると、内角高めの打率が.083、内角中程が.050、内角低めが0.000と内角をほとんどと言っていいほど打てておらず、3割以上打てたのは外角中程(.320)のみ。今季も内角を厳しく攻められることが予想されるが、いかに内角を見極め、さばいてけるかが好調を維持できるかどうかの大きなポイントとなりそうだ。

“令和のON砲”の形成なるか

昨季まで2年連続本塁打王の岡本和真。今季は内角のさばきがよく、バックスクリーンに本塁打をたたき込むなどオープン戦でも好調を維持。ヤクルトの村上宗隆とともにセ・リーグの三冠王を狙える位置にいる。

そんな岡本に加え、中田がかつての勝負強さを取り戻して“令和のON砲”を形成できれば、坂本勇人や丸佳浩らとともに打線に厚みが生まれる。巨人のリーグ優勝奪還のカギは、中田翔のバットが握っていると言っても過言ではない。

※数字は2022年3月8日試合終了時点。

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