山本由伸、宮城大弥に続く大物狙う?
プロ野球のドラフト会議が11日に行われる。25年ぶりの優勝を目指すオリックスは若手の台頭が著しいが、補強ポイントはどこだろうか。まずは先発投手から見ていこう。
今や球界を代表する右腕となった絶対エース山本由伸はまだ23歳。当面はオリックス先発陣の屋台骨を支えてくれるだろう。さらに今季ブレイクした宮城大弥は弱冠20歳だ。左右の両輪がいることはこの上なく心強い。
2019年に最高勝率に輝いた山岡泰輔は9月に右肘クリーニング手術を受けたが、田嶋大樹、山﨑福也の両左腕もローテーションの一角を担っている。
5枚目、6枚目はベテラン増井浩俊や竹安大知、山﨑颯一郎らが担うが、やや不安が残る。将来を背負ってくれるような大物がもう一人いれば、山本、宮城とともに「3本柱」として黄金時代を築けるかも知れない。
昨年1位指名した右腕・山下舜平大(福岡大大濠高)も将来性を高く評価されているが、今年も前評判の高い高校生投手が多いため、育成に長けたオリックスとしては明桜高・風間球打、市和歌山・小園健太、高知高・森木大智らを競合覚悟で指名する可能性は十分にある。
もし獲得できれば投手王国にグンと近付くことは間違いない。
高齢化のため中継ぎ左腕の補強は急務
続いてリリーフ投手を見ていこう。
コーチ兼任の42歳・能見篤史や39歳・比嘉幹貴、37歳・平野佳寿らベテランが目立つ。特に平野はクローザーという重要なポジションだけに後継者を育成、補強していくことは課題だろう。
豪速球を武器に2017年に6勝2セーブ25ホールドをマークした黒木優太が完全復活できれば頼もしいが、故障明けの現在は一軍復帰すらできていない。2位に躍進した2014年は馬原孝浩、佐藤達也、比嘉幹貴、平野佳寿ら盤石のリリーフ陣が「勝利の方程式」と呼ばれる活躍をした。
来季に向け、中継ぎ、リリーフ陣を増強するために、特に頭数の少ない左腕は補強ポイントと言える。関学大・黒原拓未、創価大・鈴木勇斗、三菱重工West・森翔平ら大学生・社会人左腕を狙う可能性もありそうだ。
捕手は3人併用も不動のレギュラー候補狙うか
育成が難しいとされる捕手はどうだろうか。
捕手出身の中嶋聡監督は伏見寅威、若月健矢、頓宮裕真の3人を併用している。実力の抜きんでた大物がいない限り、簡単に補強や育成ができるポジションではないため、しばらくは併用が続くかも知れない。
とはいえ、将来的に固定できるような不動のレギュラーが欲しいことも確か。昨年は5位で中川拓真(豊橋中央高)を指名したが、今年も中央大・古賀悠斗や関西大・久保田拓真を狙うのも一考だろう。
続いて内野手を見ていく。
中嶋監督は宮城と同期入団の紅林弘太郎を1年間ショートで起用してきた。2月生まれのためまだ19歳の紅林は、球団史上初となる10代2桁本塁打を達成して期待に応えている。
また登録は外野手だが、身体能力の高い宗佑磨をサードで固定できたのも大きい。2018年ドラフト1位の20歳・太田椋も含め進境著しい若手が、安達了一や外野手登録ながらファーストで起用されることも多いT-岡田、助っ人外国人らとうまくかみ合っている。
超大物がいる場合は別にして、喫緊の補強の必要性はなさそうだ。
外野陣は充実も欲しいスター候補
最後に外野手はどうだろうか。
右手首骨折で離脱したが、吉田正尚のレフトは不動。今季の活躍ぶりからライトを守る4番・杉本裕太郎、内野手登録ながらセンターで起用されているリードオフマン・福田周平も動かし難い。
昨年ドラフト3位で明石商から入団した来田涼斗も、7月にプロ初打席初球本塁打の衝撃デビューを果たすなど、今後が楽しみな存在だ。
即戦力よりは将来性を考慮してパワーかスピードに特化した高校生を指名するのも一考かも知れない。スター性も加味して智弁学園・前川右京を獲得できれば話題性も十分だ。
長い低迷期を脱し、戦力の底上げができつつあるオリックス。客を呼べるスター選手をつくっていくことも今後は重要になるだろう。
※表の年齢は2021年の満年齢
※育成選手、引退及び戦力外が発表された選手は含まず(10月6日時点)
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