シーズン中に同一リーグで異例のトレード
西武の木村文紀、佐藤龍世と日本ハムの公文克彦、平沼翔太の2対2の交換トレードが12日、両球団から発表された。シーズン中に同一リーグのトレードは異例だが、打力強化したい日本ハムと左腕不足の西武の思惑が一致した。
木村は埼玉栄高から2006年高校生ドラフト1巡目で投手として入団した15年目の32歳。野手転向後、2019年には130試合に出場したが、今季前半戦は20試合出場で打率.180だった。直近では5月28日に登録抹消されたものの、イースタン・リーグで11本塁打を放っている。
佐藤は北海高から富士大を経て入団3年目の内野手。パンチ力のある打撃が持ち味だが、今季は11試合出場で打率.167だった。故郷の北海道で出直しを図ることになる。
公文は大阪ガスから2012年ドラフト4位で巨人入りした左腕で、2017年から日本ハムに移籍。昨年7月11日のオリックス戦で負け投手となるまで、プロ初登板から182試合連続無敗記録をマークした。今季は10試合登板で防御率3.68の成績を残している。
平沼は敦賀気比高時代にセンバツ優勝投手となり、プロ入り後に野手転向。今季前半戦は32試合で打率.194だった。
渡辺久信GMは木村と佐藤にエール
各選手と西武・渡辺久信GMのコメントは以下の通り。
木村文紀「ライオンズに入団して印象に残っていることは、投手として初勝利を挙げた時や野手になって初めて(勝ち越し)満塁ホームラン(2015年6月24日ソフトバンク戦)を打ったことなど、挙げきれません。ライオンズは中村さん、栗山さんをはじめ、後輩たちも本当に明るくて、とても野球をやりやすい環境だったと思っています。そしてライオンズファンの皆さんには、自分の調子がいい時も悪い時も本当に大きな応援をいただきました。プレーをしながら常にそれを感じていました。本当に熱いファンの皆さまだったと感じています。
ライオンズでの15年間でやってきたことをしっかり新天地で結果として出すことが、ライオンズに対しての恩返しになるとも思っています。また1からスタートする気持ちで、これから頑張っていきます」
佐藤龍世「ライオンズでは全てが思い出です。良い先輩、良いスタッフに出会えたことが自分の野球人生で、とてもプラスになる3年間でした。この仲間と野球ができたこと、それに尽きます。最近ではエキシビジョンマッチで自分が2塁にいて、森さんがホームランを打ってくれた試合が一番印象に残っています。すごくうれしかったです。
トレードは不安が大きいですが、プレッシャーに負けず、一軍で活躍している姿を多くの方に見せられたらと思いますし、地元ということで、恩返しもしていきたいです。(ファンの方へ)ライオンズを離れることは寂しいですが、これからも応援していただけたらうれしいです。まだ気持ちの整理がついていないですが、北海道日本ハムファイターズで活躍していい報告ができるよう頑張ります」
西武・渡辺久信GM「このたびのトレードは、両チームの補強ポイントが合致したということです。木村はもともと投手で入団し、途中から野手に転向しましたが、野手として背番号1桁を背負う選手にまで成長したのは、本当に彼の努力の賜物だと思います。入団から今日までの15年間、さまざまな形でライオンズに貢献してくれて本当に感謝していますし、キムがもたらしてくれた勝利が数多くありました。新たな地での活躍を願っています。
龍世についても将来、ライオンズの軸として活躍してほしいという想いがありました。一生懸命練習に取り組む姿が印象に残っていますし、そんな彼がチームを離れることになりましたが、ライオンズで過ごした間に感じたチームメイトやファンの温かさを胸に、地元である北海道で頑張ってほしいと思います」
公文「日本ハムと対戦楽しみ」
公文克彦「ジャイアンツから2017年に移籍して、温かく迎え入れて下さったファイターズには感謝の気持ちでいっぱいです。これからはライオンズの一員として精一杯プレーをして、ファイターズと対戦できることを楽しみにしています」
平沼翔太「ファイターズでの約6年間、温かく応援していただき本当にありがとうございました。ファンの皆様には感謝でいっぱいです。入団してから得たものは、僕の財産です。新天地でも全力で頑張ります。本当に、ありがとうございました」
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