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巨人・廣岡大志、原監督も期待の大砲候補 村上宗隆を凌ぐ本塁打率は本物か

2021 3/7 06:00勝田聡
読売ジャイアンツの原辰徳監督ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

移籍後2試合目で古巣から一発

セ・リーグ3連覇を目指す巨人が、春季キャンプを終えたこの時期に右の大砲候補・廣岡大志をトレードで獲得した。交換相手としてヤクルトに移籍したのが、先発ローテーションに入ってもおかしくない田口麗斗ということからもわかるとおり、廣岡に対する期待は大きい。

原辰徳監督は「右の大型選手は(坂本)勇人の次がなかなか出てきていない」と語っている。廣岡は今年24歳とまだ若く、今年33歳になる坂本の後継者候補としても考えているようだ。合流初日となった3月3日のヤクルト戦(オープン戦)では途中出場し、2打席連続三振。結果は残らなかったものの、さっそくチャンスを与えられた。

翌日(4日)の同じくヤクルト戦では、「8番・遊撃」でスタメン出場(坂本が指名打者での出場ということもあるが)。6回の第3打席では、石山泰稚から挨拶代わりとなる一発を放っている。原監督をはじめとした首脳陣にまずはバットで強烈にアピールした。

この2試合では遊撃と三塁の守備についたが、ヤクルト時代にはこの2ポジション以外にも二塁、一塁、そして両翼と守ってきた。坂本の後継者候補ではあるものの、原監督もそこにこだわらず起用法を模索していくことになるだろう。

同世代でトップの本塁打数

大砲候補と称されている廣岡の通算本塁打は5年間で21本。シーズン最多本塁打は2019年の10本塁打。この数字だけを見ると大砲候補としては物足りなく映るかもしれない。

しかし、廣岡と同じ1997年生まれ世代(1997年4月2日〜1998年4月1日生)の選手を見ると廣岡以上に本塁打を放っている選手はおらず、2桁本塁打経験者も廣岡ただひとり。そもそも通算本塁打数が2ケタなのも廣岡だけだ。

もちろん、大学や社会人を経由してプロ入りした選手はプロ年数が浅い。世代トップの長距離砲というにはまだまだ材料が乏しいものの、将来的な可能性は十分にある。

1997年生まれ世代通算本塁打ⒸSPAIA


村上宗隆を凌ぐ本塁打率を記録

昨シーズンの廣岡は87試合の出場で打率.215(121打数26安打)、8本塁打、15打点の成績を残している。特段、見栄えのする数字ではない。だが、打数÷本塁打数で表される本塁打率という指標では優れている。

昨シーズンにおける廣岡(121打数/8本塁打)の本塁打率は15.12となるが、これは村上宗隆(424打数/28本塁打)の15.14をわずかながら上回っている。
※本塁打率は1本塁打を放つまでに何打数かかるかを表す指標。数字が小さいほど優れている。

巨人では岡本和真(440打数/31本塁打)が14.19で先輩の貫禄を見せているが、他で廣岡を上回っているのは9.00を記録したモタだけ。ただし、モタは9打数で1本塁打と打数が極端に少ない。また、すでにチームを退団しているため、実質、廣岡を上回っていたのは岡本だけということになる。

打撃機会に比例して本塁打数が増えるわけではないが、本塁打を量産する素質を秘めていることは間違いない。原監督はどのように廣岡を起用していくのだろう。坂本の後継者、そして右の大砲候補である廣岡の打席に注目だ。

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