先発ローテーション入りの期待
春季キャンプを終えたこの時期、巨人とヤクルト間で交換トレードが成立。田口麗斗が巨人からヤクルトへ、廣岡大志がヤクルトから巨人へ移籍することが決まった。2年連続最下位と低迷しているヤクルトが獲得した田口は、2016年・2017年と2年連続2桁勝利を記録しており通算36勝(37敗)を挙げている。
ヤクルトの投手陣で36勝を上回る勝ち星をマークしているのは、石川雅規(173勝)と小川泰弘(75勝)、そして今シーズンから加わるバンデンハーク(43勝)の3人のみ。高津臣吾監督は「先発として期待している」とコメントしており、先発ローテーションはもちろん、柱としての期待も大きい。長年、石川に次ぐ先発左腕が出てきてない現状を打破する可能性も十分にありそうだ。
1995年生まれ世代トップの勝ち星をマーク
田口は2013年ドラフト3位で指名を受け、広島新庄高から巨人へ入団した。甲子園出場経験はないが、3年夏の広島大会決勝における山岡泰輔(瀬戸内高/現オリックス)との死闘は語り草となっている。
両投手ともに延長15回を完封。再試合で山岡が9回完封、田口が8回1失点とともに好投するが、わずか1点差で甲子園出場を逃した。そういった活躍もあり、甲子園終了後に行われた世界選手権に日本代表として選出されている。
同じく高卒でプロ入りした選手のなかには松井裕樹(桐光学園高→楽天1位)や森友哉(大阪桐蔭高→西武1位)、渡邉諒(東海大甲府高→日本ハム1位)といった1位指名を受けた選手もいる。また、ドラフト中位・下位指名には、平良拳太郎(北山高→巨人5位/現DeNA)や二木康太(鹿児島情報高→ロッテ6位)ら、現在では戦力としてチームに欠かせない選手も多い。
大学や社会人を経由してプロ入りした選手には、高校時代のライバルともいえる山岡(東京ガス→2016年オリックス1位)、東克樹(立命館大→2017年DeNA1位)、高橋礼(専修大→2017年ソフトバンク2位)、周東佑京(東農大オホーツク→2017年ソフトバンク育成2位)と、こちらも好選手の名前が並ぶ。
そんな粒ぞろいの1995年生まれ世代(1995年4月2日〜1996年4月1日生まれ)のなかで、田口は現役トップとなる勝ち星を積み重ねてきた。今年26歳とまだまだ若く、今後も世代トップ集団のひとりとして球界を引っ張っていったとしても、なんら不思議ではないだろう。
昨季のBB%はヤクルトで3位相当
高津監督は田口について「すごく制球の良い投手」と評価しており、コントロールの良さを買っている。昨シーズンの制球力を示す指標のひとつであるBB%(対戦打者に対する与四球の割合)は6.9%。
ヤクルトの投手陣(50回以上)で昨シーズン6.9%を切ったのは、小川(5.6%)と石川(5.7%)のみ。高梨裕稔で9.2%、スアレスで9.5%だった。四球で大崩れするリスクが少ないのは心強い。また、2015年の一軍デビューから一度も10%を超えていない。通算でも7.2%となっており、その制球力の良さは折り紙付きだ。
年齢的にもこれから脂が乗ってくるであろう田口。入団会見で自身が語ったように、是非ともジャイアンツの連覇を阻止し、ヤクルトが優勝するためのピースの1つになって欲しいところだ。
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