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阪神・佐藤輝明は1年目から活躍? 大学・社会人ドラ1野手のOP戦とシーズン成績

2021 2/28 11:00勝田聡
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近年の大卒・社会人出身ドラ1野手で新人王は阪神勢のみ

沖縄や宮崎の地でプロ野球の練習試合が始まった。2月中はまだ主力やベテランが調整段階ということもあり、新人を中心とした若手たちがメインとなって出場しアピール合戦を繰り広げている。なかでも注目されているのが阪神の佐藤輝明だ。

佐藤は昨年のドラフト会議で4球団が競合した近畿大出身のスラッガー。福留孝介(現中日)が背負っていた背番号「8」を与えられたことからも、その期待の高さがうかがえる。ここまで紅白戦、練習試合と快音を響かせており、順調に過ごせていると見ていい。

では、過去ドラフト1位で指名された大卒や社会人出身の野手は1年目のオープン戦や公式戦でどのような成績を残してきたのだろう。2011年のドラフト以降で振り返ってみる。

大卒ドラフト1位野手は9人おり、新人王を受賞したのは髙山俊(明治大→阪神)のみ。即戦力候補の大卒野手でも1年目からレギュラーを掴み、新人王クラスの成績を残すのは至難の業ということだ。

一方、大卒野手同様に即戦力と見なされる社会人出身のドラフト1位野手は5人。その中では近本光司(大阪ガス→阪神)が新人王を受賞している。

OP戦10試合以上に出場が目安

ドラフト1位の大卒野手の1年目の成績は下記のようになる。

大卒ドラフト1位野手の1年目成績ⒸSPAIA


吉川尚輝(中京学院大→巨人)は新人合同自主トレ中に上半身のコンディション不良が発症したため大きく出遅れ、オープン戦3試合以上に出場したのが3人、10試合以上が5人。その5人中、伊藤隼太(慶応大→阪神)を除いた4人が公式戦で100試合以上に出場した。規定打席に到達したのは高山だけだが、他の3人も1年目から主力級の出場機会を勝ち取っていた。

オープン戦で打率1割台だった野間峻祥(中部学院大→広島)のように、打撃面で奮わなくてもチャンスはありそうだ。一方、オープン戦では結果を残しながらも、チームの方針で二軍スタートとなった選手もいる。大山悠輔(白鴎大→阪神)はオープン戦で9試合に出場し打率.333と結果を残したが、開幕は二軍だった。

現時点で最も結果を残しているといえる吉田正尚(青山学院大→オリックス)は、春季キャンプ中に故障で離脱したため実戦は3月中旬の二軍戦でスタート。オープン戦での出番は最後の3試合のみだったが、少ない出場機会で打率.308、1本塁打を記録している。しかしシーズン中にも故障で離脱したため、出場は63試合にとどまった。

2012年以降の傾向から、オープン戦で10試合以上に出場することが一つの目安になりそうだ。

社会人出身者は4人がOP戦で10試合以上出場クリア

ドラフト1位の社会人野手の1年目の成績は下記のようになる。

大卒出身ドラフト1位野手の1年目成績ⒸSPAIA


春季キャンプ中に骨折で離脱した安達了一(東芝→オリックス)を除いた4人はオープン戦で10試合以上に出場し、打率1割台もいない。その4人中、佐藤直樹(JR西日本→ソフトバンク)以外が公式戦で50試合以上に出場した。

佐藤は開幕前に肘の故障があり、ファームでのスタート。その後回復したものの、一軍からは声がかからなかった。二軍では盗塁王を獲得し、才能の片鱗を見せている。

今年、即戦力候補となるドラフト1位野手は佐藤と渡部健人(桐蔭横浜大→西武)の二人。渡部はB班(二軍相当)スタートと出遅れてはいるが、対外試合には出場しており大事には至っていない。

両選手はこれから始まるオープン戦で結果を残し、開幕一軍切符を手にすることができるだろうか。まずはオープン戦で10試合以上に出場できるかに注目だ。

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