FA権保有選手は計97人
コロナ渦で日程変更や無観客試合など模索しながら進んできた2020年のプロ野球もいよいよ大詰め。日本シリーズが終わればストーブリーグに突入する。
NPBから公示されているFA権保有選手は国内38人、海外59人の計97人。日本シリーズ終了翌日から土日祝日を除く7日以内に在籍球団に意思を伝えてFA権を行使すると、「FA宣言選手」として公示された翌日から他球団との契約交渉が可能となる。
すでに残留を表明した選手や戦力外になった選手もいるが、セ・リーグ各球団のFA権保有選手を紹介していこう。
巨人・菅野智之は順調なら来年に海外FA権取得
巨人は14勝を挙げて最多勝に輝いた菅野智之が国内FA権を保有。米メディアでは今オフにポスティングシステムでメジャー移籍する可能性が報じられるなど去就が注目されている。
アメリカは日本以上に新型コロナ感染が拡大しており、各球団とも収入が減って経営状況は厳しい。菅野は順調にいけば来季、海外FA権を取得することもあって、今オフにあえて渡米する道を選ぶか流動的ではあるが、残留が決定するまではファンがやきもきする日が続きそうだ。
また今季、通算2000安打を達成した坂本勇人は海外FA権を保有しているが、昨オフに5年契約を結んでおり、事実上の「生涯巨人」を誓っている。
阪神のFA権保有選手は国内、海外合わせて8人。しかし、43歳の福留孝介、41歳の能見篤史、34歳の上本博紀は退団が決まっており(いずれも現役続行希望)、藤川球児は引退、糸井嘉男は39歳のベテラン、岩田も残留と報じられており、FAで流出の心配はなさそうだ。
中日・大野雄大は残留決定
今オフの目玉の一人だった中日・大野雄大は3年契約で合意し、早々に残留を決定。球団にとって最大の懸案がクリアされた。
最多勝に2度輝いた功労者・吉見一起は引退を表明。平田良介は来季が5年契約の最終年、大島洋平は昨オフに3年契約、堂上直倫は一昨年に3年契約を結んでいる。
DeNAのFA権保有選手は6人。その中で今季、日米通算2000安打をマークしたホセ・ロペスは退団決定、地元・横浜高から入団してDeNA一筋16年の石川雄洋、15年目で通算337試合に登板したベテラン右腕・藤岡好明は戦力外となっている。
今季、国内FA権を取得した梶谷隆幸は態度を明確にしていない。昨オフは年俸減額制限ギリギリの24.4%ダウンとなる推定7400万円で契約更改し、発奮した今季はチームメートの佐野恵太と最後まで首位打者を争って打率.323をマーク。高い身体能力を誇り、FA宣言すれば争奪戦となる可能性も十分だ。
また、今季6勝を挙げた井納翔一も国内FA権を取得しており、去就が注目されている。
ヤクルト山田哲人は7年契約、広島・田中広輔は?
広島はFA権を保有する8人のうち、41歳の石原慶幸は引退、松山竜平はFA権を行使せずに残留、小窪哲也は退団することが決まっている。
昨オフにポスティングによるメジャー挑戦を断念した菊池涼介は4年契約、會澤翼は昨オフに3年契約、野村祐輔は昨オフに2年契約を結んでいるが、今季、国内FA権を取得した田中広輔は熟考する構えを見せている。
ヤクルトは今オフ最大の目玉と言われた山田哲人の引き留めに成功。7年40億円とも伝わる長期契約で流出を阻止した。また、今季3勝20セーブを挙げた石山泰稚も4年契約で残留が決定している。
国内と海外のFA権を保有する選手は計14人と多いが、日米通算906試合登板の五十嵐亮太は引退、上田剛史と近藤一樹には戦力外が通告されている。
坂口智隆は一昨年オフに3年契約でサイン。他のFA権保有選手は40歳の石川雅規、38歳の青木宣親、36歳の雄平とベテランが多いことから、球団にとっては今季ノーヒットノーランを達成した小川泰弘の引き留めが最大の仕事となりそうだ。
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